子どもたちは夏休みですね。大人たちの夏は厳しいモノがありますが、子どもたちは毎日宿題と遊びに明け暮れているかと思います。
最近は暑さも厳しく、ゲーム機を持っていない子どもも殆どいないくらいに一人1台ゲーム機を持っているような状況なので体をしっかりと動かして遊ぶ事も少なくなってしまった……という子もいるかもしれません。
夏の一日の始まりはといえば、そう、ラジオ体操です。毎朝学校から配られたスタンプカードを首から提げて、町内の広場とかに集合してみんなで体操したものです。今は少子化で子ども会が存在しない町内会もあり、ラジオ体操に参加する子どもも減っているそう。そんなラジオ体操のこと、ちょっと覗いてみましょう。
■ラジオ体操のはじまり
ラジオ体操は、その歴史をたどって行くと昭和3年にレコード(3枚一組)が発表され、翌年の昭和4年から全国放送が始まりました。
時を経て戦争もあり時代も変わりましたが、終戦後の昭和26年に現在のラジオ体操第1を制定、放送が開始されました。ラジオ体操第2は職場向けとして考案され、翌年の昭和27年に制定、放送開始されました。
現在も続いている朝の「夏季巡回ラジオ体操」は昭和28年、「あーたーらしーいー あーさがきた」という歌い始めでおなじみのラジオ体操の歌は昭和31年に3番目のラジオ体操の歌として現在も親しまれています。
平成20年にはラジオ体操80周年記念第47回「1000万人ラジオ体操・みんなの体操祭」が東京国際展示場(東京都)で開催されました。
■ラジオ体操のここがスゴイ
ラジオ体操をやると
・体の動かせる関節をほぼ満遍なく動かすことができる
・全身の筋肉を曲げ伸ばしし、筋肉への血流を良くするので凝りに効く
・しっかりと深呼吸し、体操中も息をしっかり吸って吐きながら運動するので酸素の取り込みも良くなり有酸素運動となる
・かなりガッツリまじめにやると相当量のカロリーが消費できる
・子どもからお年寄りまで参加できるので世代を分け隔てることなく行える
といった感じで、全身にアプローチして動かすのでかなりの活動量が期待できます。
ラジオ体操第1をじっくりと15分行うのと、速いペースのウォーキングを同時間行うのとではほぼ同じくらいのカロリー量が消費が期待できます。
体、特に胸の全体を動かすことで肺への空気の入りも良くなります。さらに、うつ状態の人が運動を行うことで気分の状態を安定させる事ができるという研究結果もありますのでストレスを抱えている人には特にオススメです。
■ラジオ体操を行うにあたって
ただ何となく指示通りにやるラジオ体操ではそんなに効果はありませんが、指の先までビシッと揃えて大きく体を動かすラジオ体操では終わった後にかなりの疲労感が出るかもしれません。
この、ビシッとした「正しい動き」のラジオ体操が一番効果が高く、消費するエネルギー量も多いのは当然の事です。が、気を付けておくべき点もあります。
・肩や首の凝りがひどい人
・腰や四肢の筋を痛めたことがある人
・その他、事故や病気などで関節の曲げ伸ばしがし辛い人
こういった症状がある方は、無理をせず、動かしてみて心地がいいと思う程度にとどめておきましょう。健康によいラジオ体操であっても無理は体に負担となります。また、体力があまりない状態で大きく運動をする事で強い疲労感が出てしまうかもしれません。
終わった後に「いい運動をした!」という心地よさがあるくらいがちょうど良い運動の目安です。
そして一番大事なことは、「毎日続けること」。機械を動かさずに置いておくと錆び付いてしまって動かなくなってしまいますが、毎日動かして手入れをする事で良好な状態を保つことができますよね。人間の体も同じで全身を毎日動かすことが大切です。
健康のためにできる事で即効性のあるものはないと考えておいたほうが良いです。継続することで健康を手に入れることができるのです。
■ラジオ体操ではちょっとツライ……という人は
NHKで放送されている「みんなの体操」という番組があります。この番組では座ったままできる運動もあり、ラジオ体操よりも運動量は軽いので、デスクワークでちょっと肩が凝ったときや、立って運動するのが困難な人にお勧めできます。毎日同じ時間に放送されているので、職場のテレビにタイマー放送をセットして、一息つきがてら体操するのも良い方法かと思います。
健康にもダイエットにも(?)よい、ラジオ体操、是非毎日の生活の中に取り入れてみてくださいね。
<参考サイト>
かんぽ生命 ラジオ体操の歴史
NPO法人 全国ラジオ体操連盟
メドレー医学辞典
(看護師ライター・梓川みいな / 画像・写真ACより)