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言葉の力。心救われた人が続出した心療内科医のある「言葉」

 心に受けるダメージは、体の傷の様には目に見えない分何かと難しいモノ。そんな心の傷を癒やす言葉がツイッターに投稿され大きな反響を呼んでいます。

  •  はまりーさんのツイート。

    「心療内科にいってきた。『ネコを亡くして三ヶ月経って、思い出す機会が減ってきて寂しい』と云ったらお医者さんが『それは同化というんです。これまではネコは外側にあったからそれを失ったことを悲しんでいた。いまネコはあなたの内側にいるんです』と神父さまみたいなこと云われてびっくりした。」

     外側にいた、「喪ったもの」が、自分の内側にいる……筆者もこの言葉に救われた一人。筆者、実は、今の猫たちが来る前に飼っていた猫がいたのですがわずか3歳という若さで血液のがんに侵され、手を尽くしても結局どうしようもなく……という過去がありました。とても賢く心が通じ合っていたと心底感じられるコだったので、葬儀を終えた後もしばらくは何も手が付かず、落ち着いたころにも時々落ち込む事が。そしてその1年後に保護した今の猫を迎えるに至ったのですが、やはりはまりーさんと同じように思い出さなくなってきた自分に対し寂しさや罪悪感めいたものを感じていました。その2年後にもう1匹保護した子を迎え、現在も一緒に暮らしていますが心のどこかには先代猫の事が。そうか、この「心のどこかにいる」のが「同化」なのか……。

     夢でも幽霊でもいいから出てきて欲しかったあのコにはもう会えませんが、自分の内側にいつもいるのならそれでいいんだ、って思うと気持ちがすっと楽になりました。

     筆者は医療者として心療内科の患者さんを看てきたことも、自分が患者として診てもらった事も患者の家族としても経験してきました。心の医師でも人間なのでさまざま。相性が合う人合わない人、精神科医なのにそんなこと言うの?!ってびっくりした事がある人、私の話に耳を傾けて頷きながら「よく頑張ってきましたね」と言ってくれる人、色々な医師と出会ってきました。

     診察を受けても看ていても思うのが、医師を変えるのはかなりの労力が必要だな、という事。でも、自分と合わないと感じたら思い切って他の医師にかかるというのは自分が救われるための一つの手段。その場合「他の医師にも相談してみたいので紹介状が欲しい」と言えば書いてもらう事ができます。セカンドオピニオンを嫌がる医師は最近だいぶ少なくなってきているので、他の医師に掛かりたいけど勇気が出ない人も思い切って言ってみましょう。もし嫌がる医師がいたら、その医師は本当にハズレの医師ですから。

     少し話がそれましたが、この様に心を軽くする魔法の様な言葉を持つ医師に出会える事はとても素敵な事。薬だけでは癒やせない部分を言葉の力で補える、そんな医師がより増えてくれるといいですよね。

    <記事化協力>
    はまりーさん(@travis02130213)

    (梓川みいな)

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    娘二人(ともに発達障害あり)とネコ二匹の母。シングル。

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