26か国から2万5000人以上の人員が集まり、ハワイとカリフォルニアを舞台に行われる環太平洋合同訓練「RIMPAC2018」。その訓練開始に先立って、各国が主催するレセプションが続きます。海上自衛隊をはじめ、各国の軍が趣向を凝らした交流行事。その一部の様子をご紹介します。
2018年6月27日から始まったRIMPAC2018。初日にはホスト国であるアメリカのレセプションが空母カール・ビンソン(CVN-70)で行われました。5月に就任したばかりの第36代アメリカ太平洋艦隊司令官、ジョン・C・アキリーノ大将が挨拶し、参加各国の代表を歓待しました。
翌6月28日は、メディアに向けた合同記者会見を実施。各国の派遣部隊司令官が並ぶ中、アメリカ第3艦隊司令官のジョン・アレクサンダー中将が代表して、この訓練の意義について語りました。合同記者会見の後は、各国の司令官に対する個別インタビューなども行われます。
日本から参加している護衛艦いせ(DDH-182)でのレセプションは、この6月28日に行われました。まずは今回の派遣部隊の指揮官、第2護衛隊群司令の大判英之海将補による挨拶。
そして日本が主催するレセプションで恒例となっている「鏡割り」が行われました。海上自衛隊では艦内での飲酒は禁止されているのですが、レセプションとなれば話は別。わざわざこのレセプションのために、日本からこも樽を積んでハワイまで来ているんですね。
また、日本らしさを表す演出として、乗組員による「餅つき」も行われました。この杵と臼も、レセプションのために用意しているのかと思うと、結構色々な準備が必要なのが判ります。ちなみに前回のRIMPAC2016では、派遣されたひゅうが(DDH-181)でのレセプションで「流しそうめん」や盆踊りが披露されました。このような演出やメニュー、調理はそれぞれの艦の給養員(調理担当の自衛官)がアイデアを出して行われています。
7月1日は、カナダ建国を祝う「カナダデイ」。この日はカナダ海軍のフリゲート、オタワ(FF-341)艦上と、ホノルルのシェラトン・プリンセス・カイウラニ・ホテルで、カナダデイのレセプションが行われました。オタワ艦上レセプションでは、カナダ海軍派遣部隊のトップであるカナダ太平洋軍司令官のボブ・オーチターロニー中将が挨拶。
さすがにフリゲートでの艦上レセプションでは手狭なので、本格的なレセプションはホテルで行われています。カナダ国旗をあしらった大きなケーキが登場。カナダ建国151年を祝いました。
このように、多国間の合同訓練では、ともに訓練する将兵や地元の協力者などを招いてのレセプションが行われています。これも一種の「外交」であり、互いに相手を尊重し合うことで、より良い同盟関係や協力関係を築いているのです。
Image:U.S.Navy/Royal Canadian Navy
(咲村珠樹)