おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

ノースロップ・グラマン 対ドローン用機動展開レーダーのデモを完了

 ノースロップ・グラマンは2020年3月11日(現地時間)、小型軽量な車両搭載型レーダー「HAMMR」のデモンストレーションをフロリダ州のエグリン空軍基地で実施し、成功させたと発表しました。これはドローンなどの脅威に、素早く対応できるレーダーシステムです。

  •  ノースロップ・グラマンが今回デモンストレーションを行った、高度順応性汎用レーダー(Highly Adaptable Multi-Mission Radar)の「HAMMR(ハマー)」は、F-16用の火器管制レーダーとして実績豊富なAN/APG-83「SABR(セイバー)」をベースに開発されたもの。Xバンド(8~12GHz帯)を使用する、短中距離の三次元レーダーです。

     戦闘機用のシステムを応用したことにより、レーダーシステムとしては非常に小型軽量に仕上がっているのが大きな特長。アメリカ軍で使用されている汎用小型高機動車両のハンヴィー(HMMWV)に、電源装置を含めたすべての機器が搭載できるようになっています。

     これにより、機動力のあるハンヴィーで素早く展開し、レーダー網を構築することが可能となりました。これは特に偵察・攻撃ドローンや巡航ミサイルに対し、機動的に対処できることを意味します。

     ノースロップ・グラマンの陸上・海上センサー部門を統括するマイク・ミーニー副社長は、今回のデモンストレーションについて「こういった形で、実績ある目標探知システムを機動的に展開できるコンセプトが、国防総省のIAMD(Integrated Air and Missile Defense)用にデモンストレーションされるのは初めてのことです。今回のデモンストレーションで、予想よりはるかに早く開発が可能で、実際の戦場に対応できるということが証明されました」と総括しています。

     戦術偵察や小規模な攻撃を行うドローンや巡航ミサイルの場合、機体規模が小さいために探知が難しく、探知と同時に迎撃するタイミングが訪れるケースも予想されます。機動的に展開できる小型軽量のレーダーシステムは、これらの脅威に対する回答の1つといえるでしょう。

    <出典・引用>
    ノースロップ・グラマン ニュースリリース
    Image:Northrop Grumman

    (咲村珠樹)

    あわせて読みたい関連記事
  • メキシコ料理店「マイクス」で人気のタコサラダに入ったモントレーファヒータ
    宇宙・航空

    アメリカ軍人に人気のメキシコ料理店「マイクス」に行ってきた

  • 衛星通信アンテナを展開するアメリカ海兵隊員(画像:USMC)
    宇宙・航空

    アメリカ国防総省 極超音速兵器を探知する人工衛星網構築計画を明らかに

  • 発射される迎撃ミサイル(Image:アメリカミサイル防衛局)
    宇宙・航空

    アメリカ弾道ミサイル防衛システム「3段目を使わない」迎撃ミサイル試験に成功

  • ペガサス XLロケットを搭載し離陸を待つ発射母機L-1011「スターゲイザー」(Image:USSF)
    宇宙・航空

    アメリカ宇宙軍 小型衛星を契約からわずか4か月足らずで打ち上げ

  • 記者会見するブリンケン国務長官(左)ストルテンベルグNATO事務総長(中)オースティン国防長官(右)(Image:NATO)
    宇宙・航空

    アメリカ軍とNATO軍 アフガニスタンからの撤退を正式決定

  • 対中タスクフォース設立を発表するバイデン大統領(Image:ホワイトハウス)
    宇宙・航空

    バイデン大統領 国防総省内に対中国タスクフォース設置を発表

  • 空中発進式戦闘ドローン「LongShot」のコンセプトイラスト(Image:Northrop Grumman)
    宇宙・航空

    アメリカ軍 空中発進式戦闘ドローン「ロングショット」開発計画発表

  • 連邦議会で警備にあたる州兵(Image:U.S.National Guard)
    宇宙・航空

    大統領就任式警備の州兵「不適切なコメントや文章」などで12名が任務から除外

  • 宇宙・航空

    軍隊・自衛隊のチャレンジコインは連帯の証

  • 宇宙・航空

    アメリカの州兵が感謝祭恒例「幸せのおすそ分け」活動を実施

  • おたくま編集部Editor

    記事一覧

    おたくま経済新聞・編集部による監修or執筆

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • 鳥羽水族館、ラッコ配信で“飼育係モザイク化” カスハラ対策で映像方法変更
    社会, 経済

    鳥羽水族館、ラッコ配信で“飼育係モザイク化” カスハラ対策で映像方法変更

  • “幸福度が高い”と評判のジョナサン「早生みかんスイーツ」 今年は新作大福も仲間入り
    商品・物販, 経済

    “幸福度が高い”と評判のジョナサン「早生みかんスイーツ」 今年は新作大福も仲間入…

  • ヤマト運輸、元従業員が取引先情報を不正持ち出し 2社に流出、営業活動での使用も確認
    企業・サービス, 経済

    ヤマト運輸、元従業員が取引先情報を不正持ち出し 2社に流出、営業活動での使用も確…

  • YouTube、永久停止クリエイターに「再出発の機会」 新チャンネル申請を可能にする試験導入を発表
    インターネット, サービス・テクノロジー

    YouTube、永久停止クリエイターに「再出発の機会」 新チャンネル申請を可能に…

  • 南インド伝統のチキンカレー「ケララチキンカレー」
    商品・物販, 経済

    松のやが南インド伝統の味を再現 「ケララチキンカレー」新発売

  • 毛玉とるとる Pro(KC-NW825)
    商品・物販, 経済

    ストッキングやタイツも可の毛玉取り器誕生 マクセルイズミ「毛玉とるとる Pro」…

  • トピックス

    1. 【実食】コメダ珈琲店の「ドデカメンチバーガー」は名前に偽りなし バンズからはみ出す“肉の暴力”

      【実食】コメダ珈琲店の「ドデカメンチバーガー」は名前に偽りなし バンズからはみ出す“肉の暴力”

      コメダ珈琲店は10月16日から「ドデカメンチバーガー」と「ドデカチーズメンチバーガー」の2種類のバー…
    2. 自宅に“機内”を再現!「飛行機オタク」が作り上げた最高の趣味部屋

      自宅に“機内”を再現!「飛行機オタク」が作り上げた最高の趣味部屋

      趣味を持つ人なら憧れる、好きなもので埋め尽くされた趣味専用の部屋。本、ゲーム、楽器、絵画、彫刻など自…
    3. 藝大卒の声楽家が1時間1000円で自分を貸し出す理由 フリー芸術家ならではの戦略

      藝大卒の声楽家が1時間1000円で自分を貸し出す理由 フリー芸術家ならではの戦略

      プロの声楽家として活動する傍ら、1時間1000円から自分の時間を「レンタル」している男性。キャリア豊…

    編集部おすすめ

    1. 鳥羽水族館、ラッコ配信で“飼育係モザイク化” カスハラ対策で映像方法変更

      鳥羽水族館、ラッコ配信で“飼育係モザイク化” カスハラ対策で映像方法変更

      三重県の鳥羽水族館は10月15日、人気配信「鳥羽水族館ラッコ水槽ライブカメラ」の映像内容を一部変更すると発表しました。今後は、給餌の際などに…
    2. 毛玉とるとる Pro(KC-NW825)

      ストッキングやタイツも可の毛玉取り器誕生 マクセルイズミ「毛玉とるとる Pro」を発売

      マクセルイズミ株式会社は、ストッキングやタイツなどの繊細な衣類にも対応する毛玉取り器の新モデル、「毛玉とるとる Pro(KC-NW825)」…
    3. キヤノンの名機が「ガシャポン」で復活 歴代カメラ5種を精密ミニチュア化

      キヤノンの名機が「ガシャポン」で復活 歴代カメラ5種を精密ミニチュア化

      キヤノンが、バンダイの「ガシャポン」とコラボレーション。歴代のカメラとレンズをミニチュア化した「Canon ミニチュアカメラコレクション」を…
    4. 時事通信、男性カメラマンを厳重注意 生配信中に「支持率下げてやる」発言

      時事通信、男性カメラマンを厳重注意 生配信中に「支持率下げてやる」発言

      時事通信社は10月9日、自民党本部での取材中に「支持率下げてやる」などと発言した本社映像センター写真部の男性カメラマンを厳重注意したと発表し…
    5. 「ちいかわの世界に行きたい」ファン、考えた末に鎧さん化 再現度がガチすぎた

      「ちいかわの世界に行きたい」ファン、考えた末に鎧さん化 再現度がガチすぎた

      言わずと知れた人気コンテンツ「ちいかわ」。かわいくもハードなあの作品世界に入っていきたいと願う人は多いはず。筆者もその1人です。しかし二頭身…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト