アメリカ空軍のB-52爆撃機4機が2021年1月28日(現地時間)、グアム島のアンダーセン空軍基地における定期的な展開任務を開始しました。前任のB-1Bと交代し、西太平洋・インド洋地域における爆撃能力を確保するとともに、日本の航空自衛隊をはじめ、地域の同盟国やパートナーとの共同訓練を実施する予定です。
アメリカ空軍は世界中どこへでも迅速に打撃力を展開できるよう、各地の基地へ爆撃機を「Bomber Task Force(爆撃任務部隊)」として配置し、有事への備えとしています。今回、グアム島のアンダーセン空軍基地にやってきたのは、ルイジアナ州バークスデール空軍基地の第96爆撃飛行隊「ザ・レッド・デビルズ」に所属する4機のB-52H。
2020年から2021年1月にかけ、アンダーセン空軍基地にはB-1Bが2機ずつ交代で展開していました。定期的に日本周辺に飛来して航空自衛隊の戦闘機と共同訓練を実施しており、直近では1月12日に日本海から東シナ海、沖縄周辺で航空自衛隊のF-15(小松基地・新田原基地・那覇基地)、F-2(築城基地)と編隊航法・要撃戦闘訓練を実施しています。
共同訓練でアメリカ空軍の爆撃機は、空中給油を繰り返しながら無着陸で飛行。航空自衛隊側は飛来する爆撃機を国籍不明機に見立て、スクランブル(対領空侵犯措置)する形で爆撃機に合流し、以降は編隊飛行訓練に移行します。
スクランブルは予告なく発生する事態で、実弾を装備した「実戦」として出撃するもの。一歩間違うと戦闘に発展するかもしれないという緊張感がありますが、この共同訓練はスクランブルの手順を検証し、防空能力を高いレベルで保つために重要な機会となります。
グアムへやってきた第96爆撃飛行隊長のクリストファー・ダフ中佐は「私たち戦略爆撃部隊の任務は、いつでも打撃力を世界規模で展開できる状態にあると内外に示すことです。また、今回の展開を通じて地域の同盟国やパートナーと実戦的な共同訓練を実施し、高い練度と即応体制を維持する機会を提供してくれます」と任務についてコメントしています。
バークスデール空軍基地からグアムにB-52Hが展開するのは、2018年12月以来となります。グアムに展開した第96爆撃飛行隊のB-52Hは、今後航空自衛隊や在日アメリカ軍との共同訓練のため、日本周辺空域にも飛来する予定です。
<出典・引用>
アメリカ太平洋空軍 ニュースリリース
Image:USAF
(咲村珠樹)