日本を代表するからくり人形祭、愛知県の「犬山祭」で車山に載る山車からくり人形を代々手がける人形師・玉屋庄兵衛の当代、九代玉屋庄兵衛の作品を展示する「からくり人形師 九代玉屋庄兵衛展 -伝統の技と挑戦-」が、横浜高島屋にて2021年4月21日~5月10日に開催。最新作を含めた40点のほか、本展にあわせ復元された初代作のからくり人形もお披露目。江戸時代のロボットが現代に蘇ります。

 愛知県犬山市の「犬山祭」は犬山城下に鎮座する針綱神社に、3体から4体のからくり人形が載った13台の車山(やま)が揃い、様々な人形からくりが奉納される日本を代表するからくり人形祭。江戸時代から続くこの犬山祭で、からくり人形作りを代々手がけているのが玉屋庄兵衛で、1954年生まれの九代目が当代となります。

玉屋庄兵衛作の山車からくり人形

 九代玉屋庄兵衛は犬山祭の山車からくりを手がけるほか、1998年には幕末のからくり人形師「からくり儀右衛門」こと田中久重が作った「弓曳童子」の完全復元に挑戦し、成功。2014年には「現代の名工」にも選ばれています。

九代目 玉屋庄兵衛

 今回の「からくり人形師 九代玉屋庄兵衛展 -伝統の技と挑戦-」では、有名な「茶運人形」や「弓曳童子」「文字書き人形」といった座敷からくり人形のほか、山車からくり人形などの代表作を展示。七代目が復活させた「かまきり」や、九代目が近年手がけた「鵺(ぬえ)」「二福神」も見ることができます。

玉屋庄兵衛作の座敷からくり人形
玉屋庄兵衛作の山車からくり人形「鵺」

 また、この展覧会に合わせ、約300年前に作られた初代の作品を復元した「鶴」や、からす天狗がおみくじを引いてくるという「船弁慶からくり御籤」、スケッチ画のみから形にした「弓曳小早舟」などの新作創作からくり人形も展示。代々続く玉屋庄兵衛としての伝統と、進取の気質が共存する九代目玉屋庄兵衛の世界を感じられるものとなっています。

玉屋庄兵衛作の新作からくり人形

 「からくり人形師 九代玉屋庄兵衛展 -伝統の技と挑戦-」は、横浜高島屋8階ギャラリーにて2021年4月21日〜5月10日に開催。入場料は一般1000円(前売および10名以上の団体:800円)、大学・高校生800円(前売および10名以上の団体:600円)、中学生以下無料となっており、公式サイトには最新の情報が掲載されています。

情報提供:株式会社高島屋
※高島屋の「高」は、正式には「はしごだか」です

(咲村珠樹)