おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

【うちの本棚】第五十三回 テキサスの鷹/松森 正(原作・橋本一郎)

「うちの本棚」、今回も松森作品からの紹介です。『薔薇のレクイエム』と対をなす(?)『テキサスの鷹』。バイオレンス&エロティックなハードボイルド作品です。

「狙った敵は必ず刺す」特捜検事、通称テキサスの鷹。


  • 以前紹介した『薔薇のレクイエム』の男性主人公版とも言うべき本作、改めて読み直してみてその印象を強くした。検事という公的な立場と非合法なスナイパーの違いはあっても、ストーリー上どちらを主人公にしても成り立つようなものが多い。

    本作では第1話冒頭から、日本進出を企むマフィアが、日本支部総支配人として主人公をスカウトするシーンから始まっており、検事とはいってもかなりキワドイ捜査をしてきたのだろうことは想像できるわけだけど、その話を飲むカタチで潜入捜査にはいり、マフィアの幹部が来日するタイミングで全員を殺してしまうという検事にあるまじき行動に出たりもしている。こんな展開、『薔薇のレクイエム』でも十分描けるだろうし、むしろその方が無理はないような気がする。

    また、マフィアにしろその他のエピソードで登場するゲストキャラクターにしろ、なぜか外人が多かったりして、日本の特捜検事なのになあ、と思ったりする部分もある。

    画的には渡 哲也(というか『西部警察』?)を意識したと思われる主人公・鷹はずいぶん血の気の多い性格になっている。松森作品の主人公としては珍しいタイプかもしれない。

    本作は後年『餓狼の森』などと一緒に松文社の「エースファイブコミックス」で再刊行されているが、その際オリジナル版の5、6話をカットした8話で構成された。5話にはかつての恋人ヘレンが、6話には現在の愛人が登場しているので、この2話をカットしたのは残念な気もする。

    これは個人的な思いつきにすぎないが、鷹と『薔薇のレクイエム』の美鬼が組んだストーリーなんて言うのもあっても面白かったのではないだろうか。

    書 名/テキサスの鷹
    著者名/松森 正(原作・橋本一郎)
    収録作品/テキサスの鷹・Vol.1~Vol.10
    発行所/双葉社
    初版発行日/昭和52年12月20日
    シリーズ名/アクションコミックス

    ■ライター紹介
    【猫目ユウ】

    フリーライター。ライターズ集団「涼風家[SUZUKAZE-YA]」の中心メンバー。
    『ニューハーフという生き方』『AV女優の裏(共著)』などの単行本あり。
    女性向けのセックス情報誌やレディースコミックを中心に「GON!」等のサブカルチャー誌にも執筆。ヲタクな記事は「comic GON!」に掲載していたほか、ブログでも漫画や映画に関する記事を掲載中。

    あわせて読みたい関連記事
  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】第五十六回 ルート・ゼロ/松森 正(原作・但馬弘介)

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】第五十五回 愛の伝説/松森 正(原作・神保史郎)

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】第五十四回 恐怖への招待/松森 正(原作・北河正郎)

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】第五十二回 反逆児/松森 正(原作・東 史朗)

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】第五十一回 餓狼の森/松森 正(原作・橋本一郎)

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】第五十回 薔薇のレクイエム/松森 正(原作・橋本一郎)

  • うちの本棚
    コラム・レビュー

    【うちの本棚】第五回 ライブマシーン/松森 正・狩撫麻礼

  • 猫目 ユウWriter

    記事一覧

    フリーライター。ライター集団「涼風家[SUZUKAZE-YA]」の中心メンバー。
    『ニューハーフという生き方』『AV女優の裏(共著)』などの単行本あり。
    女性向けのセックス情報誌やレディースコミックを中心に「GON!」等のサブカルチャー誌にも執筆。ヲタクな記事は「comic GON!」に掲載していたほか、ブログでも漫画や映画に関する記事を掲載中。
    本コラム「うちの本棚」は作者・テーマ別にして「ブクログのパブー」から電子書籍として刊行しています。
    また最近は小説の執筆に力を入れています。
    仮想空間「Second Life」やってます^^

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • コラム・レビュー

    複数社から発売された『墓場鬼太郎(ゲゲゲの鬼太郎)』を振り返る

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】262回 こいきな奴ら/一条ゆかり

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】261回 ティー・タイム/一条ゆかり

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】260回 5(ファイブ)愛のルール/一条ゆかり

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】259回 デザイナー/一条ゆかり

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】258回 わらってクイーンベル/一条ゆかり

  • トピックス

    1. 東京ディズニーランド&シー、9億人目のゲストをお迎え

      東京ディズニーランド&シー、9億人目のゲストをお迎え

      東京ディズニーランドと東京ディズニーシーを合わせた累計入園者数が1月6日、9億人に到達。運営するオリ…
    2. クマ出没マップ 「FASTBEAR」

      AI集約のクマ出没マップ「FASTBEAR」公開 全国の出没情報をまとめて可視化

      全国のクマ出没情報を地図上で可視化する「FASTBEAR(ファストベア)」の公開が、12月26日に発…
    3. 2026年も大漁!年賀状「隠しデザイン」を本気で探した結果

      2026年も大漁!年賀状「隠しデザイン」を本気で探した結果

      ついに幕を開けた2026年。1月1日の朝といえば、ポストをのぞいて新年のあいさつを受け取る──そんな…

    編集部おすすめ

    1. TOKYO FM、SNS上の「サイバー攻撃」指摘を調査 分析用データの一部流出が判明

      TOKYO FM、SNS上の「サイバー攻撃」指摘を調査 分析用データの一部流出が判明

      株式会社エフエム東京(TOKYO FM)は1月6日、サイバー攻撃や大量の個人データ流出を指摘するSNS投稿について事実確認の結果を公表しまし…
    2. EmEditor公式サイトの不正改ざん問題で続報 「攻撃者の高い執念が感じられます」

      EmEditor公式サイトの不正改ざん問題で続報 「攻撃者の高い執念が感じられます」

      テキストエディター「EmEditor」を提供するEmurasoftは1月4日、公式サイトに関するセキュリティインシデントの続報を公表しました…
    3. 日本自閉症協会、「デジタル自閉症」という表現に反対 誤解や偏見助長を懸念

      日本自閉症協会、「デジタル自閉症」という表現に反対 誤解や偏見助長を懸念

      一般社団法人日本自閉症協会は1月5日、比喩的に使われている「デジタル自閉症」という言葉について、反対する声明を発表しました。協会は、この言葉…
    4. 動画収益は復興支援へ インフィニット、能登半島応援アニメをYouTubeで全2編公開

      動画収益は復興支援へ インフィニット、能登半島応援アニメをYouTubeで全2編公開

      アニメーションプロデュースの株式会社インフィニットは1月1日、「能登半島復興応援企画」短編アニメーションを、YouTubeにて全2編公開しま…
    5. シートタイプのWebMoney

      WebMoney、事業をビットキャッシュへ承継 一部サービスは終了へ

      オンラインゲームの課金手段として知られる「WebMoney」が事業の節目を迎えます。auペイメントは2026年3月31日付でWebMoney…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト