おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

【特撮映像館】Act.53 フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ

「特撮映像館」、今回は前作に続く『サンダ対ガイラ』。サンダとガイラは本当に兄弟だったのでしょうか?

『フランケンシュタイン対地底怪獣』の続編として知られる本作は、内容的には姉妹編にあたる。というより『フランケンシュタイン~』の別ヴァージョンといってもいいだろう。


  • フランケンシュタインの存在自体は前作に準ずる設定と思われるが、研究所を逃げ出したあとはその行方は知れず、サンダとして姿を現す。また海で成長したガイラはサンダの体の一部(細胞)が成長した姿である。
    サンダとガイラは兄弟として紹介されることが多いが、実際には自身のクローンとも言うべき存在なのである。

    ところで、海外版では「フランケンシュタイン」という名詞は登場しない(ガルガンティスと呼ばれている)。これは造形も含めて版権の問題からユニバーサル映画の「フランケンシュタイン」が使えなくなったことに関連するのだろう。また主演もニック・アダムスからラス・タンブリンに変わり、日本のキャストも高島忠夫から佐原健二に変わっているので、正当な続編として作られなかったのはむしろよかったのかもしれない。

    前作では心優しいフランケンシュタインに対して人食いのバラゴンという図式だったが、今回はガイラが人を食うシーンが何度か登場している。

    本作は人間型のサンダとガイラの格闘に加え、レーザー殺獣光線というスーパーウェポンの登場が見どころ。やはり東宝特撮映画ではこのようなスーパーウェポンが登場してこそという気がする。

    今回もサンダとガイラの生死は不明のまま、海底火山の爆発に巻き込まれて姿を消すことになるのだが、この海底火山、最後の最後でいきなり爆発するのは前作の大ダコなみに唐突すぎてしまう。むしろ最初にそのような兆候を出しておけばガイラが現れるキッカケにもなってよかったのではないだろうか。

    そうそう、大ダコも今回再登場している。今回はカットされることのないファーストシーンでの出演で、ガイラとの格闘も観られる。

    当初はゴジラとの対戦も企画に上がっていたフランケンシュタイン。そのような映像も観てみたかった気もする。

    監督/本田猪四郎、特技監督/円谷英二
    キャスト/ラス・タンブリン、水野久美、佐原健二、ほか。
    1966年/88分/日本

    (文:猫目ユウ)

    あわせて読みたい関連記事
  • サムシングフォーってそういう……偶然にもモデルガンが揃ってしまった奇跡のウェディングフォト
    インターネット, びっくり・驚き

    サムシングフォーってそういう……偶然にもモデルガンが揃ってしまった奇跡のウェディ…

  • 画像提供:架空昭和史作家 西川真周さん(@mashunishikawa)
    インターネット, おもしろ

    家のトイレが巨大ロボのコクピットに!昭和とSFが融合した「架空昭和史」の世界に夢…

  • 劇中セリフやBGMを収録!バンダイから大人向けなりきり玩具「ブンブンチェンジアックス」発売
    アニメ/マンガ, 商品・グッズ

    劇中セリフやBGMを収録!バンダイから大人向けなりきり玩具「ブンブンチェンジアッ…

  • シャリバン役の渡洋史も登壇!宇宙刑事シリーズ40周年記念の上映会が開催
    アニメ/マンガ, イベント・キャンペーン

    シャリバン役の渡洋史も登壇!宇宙刑事シリーズ40周年記念の上映会が開催

  • 「特捜戦隊デカレンジャー」20周年記念ファンミ開催!主要キャスト6人が勢揃い
    アニメ/マンガ, イベント・キャンペーン

    「特捜戦隊デカレンジャー」20周年記念ファンミ開催!主要キャスト6人が勢揃い

  • 「獣電戦隊キョウリュウジャー ガブリボルバー -MEMORIAL EDITION-」
    アニメ/マンガ, 商品・グッズ

    聞いて驚けぇぇぇ!獣電戦隊キョウリュウジャー「ガブリボルバー」がメモリアル仕様に…

  • これが私たちのアオハル。朋優学院・アトラクション部の華麗なアクションに刮目せよ!
    エンタメ, サブカル

    これが私たちのアオハル 「朋優学院・アトラクション部」の華麗なアクションに刮目せ…

  • 特撮文化発展のため日夜活動する「特撮クラブ」。これで君たちもヒーローになれるぞ!
    TV・ドラマ, エンタメ

    戦闘員の貸し出しも可 ヒーローのためのオールインワン「特撮クラブ」とは?

  • 親子2代にわたって遊び尽くされたおもちゃたち(幽波紋Zさん提供)
    インターネット, 感動・ほのぼの

    親子2代で遊び尽くしてボロボロに おもちゃ冥利につきる懐かしの品々

  • 「仮面ライダーBLACK SUN」サントラCD
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    「仮面ライダーBLACK SUN」サントラCD2022年11月2日発売 配信も同…

  • 猫目 ユウWriter

    記事一覧

    フリーライター。ライター集団「涼風家[SUZUKAZE-YA]」の中心メンバー。
    『ニューハーフという生き方』『AV女優の裏(共著)』などの単行本あり。
    女性向けのセックス情報誌やレディースコミックを中心に「GON!」等のサブカルチャー誌にも執筆。ヲタクな記事は「comic GON!」に掲載していたほか、ブログでも漫画や映画に関する記事を掲載中。
    本コラム「うちの本棚」は作者・テーマ別にして「ブクログのパブー」から電子書籍として刊行しています。
    また最近は小説の執筆に力を入れています。
    仮想空間「Second Life」やってます^^

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • コラム・レビュー

    複数社から発売された『墓場鬼太郎(ゲゲゲの鬼太郎)』を振り返る

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】262回 こいきな奴ら/一条ゆかり

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】261回 ティー・タイム/一条ゆかり

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】260回 5(ファイブ)愛のルール/一条ゆかり

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】259回 デザイナー/一条ゆかり

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】258回 わらってクイーンベル/一条ゆかり

  • トピックス

    1. 平原を見渡す

      異世界ですか?いいえ日本です!とあるパーティーの“冒険の軌跡”

      ときに日常を離れ、剣と魔法の世界を冒険したい――そんな夢を日本国内で体験する人がいます。Xユーザー「…
    2. 味ぽん公式紹介の「味ぽんチーズ肉巻き」が背徳のうまさ! 実際に作ってみた

      味ぽん公式紹介の「味ぽんチーズ肉巻き」が背徳のうまさ!? 実際に作ってみた

      ミツカンの人気商品「味ぽん」の公式アカウントがXで紹介したレシピ「味ぽんチーズ肉巻き」に6万件を超え…
    3. 「私はロボットではありません」に偽装しウイルス感染 警視庁が注意呼びかけ

      「私はロボットではありません」に偽装しウイルス感染 警視庁が注意呼びかけ

      よく目にする「私はロボットではありません」という確認画面は、Googleの「reCAPTCHA」によ…

    編集部おすすめ

    1. ゲームのバグ?すり抜け?壁に「埋まっている」ように見えるワンちゃん

      ゲームのバグ?すり抜け?壁に「埋まっている」ように見えるワンちゃん

      「ココちゃんは壁をすり抜けます」という一言と共にXに投稿された一枚の写真。写っているのは、まるでゲームのバグで壁に埋まってしまったかのような…
    2. 当時、イベント関係企業のSNSに投稿された告知画像

      “マジックミラー号”展示などで波紋 中野駅前大盆踊り大会が謝罪声明

      中野駅前大盆踊り大会の実行委員会は9月9日までに公式サイトを更新し、前夜祭での演出をめぐり区民や行政から批判を受けた件について声明を発表した…
    3. ポケモン公式Xで「逆転」現象 「メガカラマネロ」登場の匂わせ?

      ポケモン公式Xで「逆転」現象 「メガカラマネロ」登場の匂わせ?

      ポケモンシリーズの最新情報を伝える公式Xアカウント「ポケモン情報局」に何やら不穏な動きが。プロフィールや投稿がすべて逆さまに「逆転」する現象…
    4. 鬼滅の刃マンチョコ<無限城編>

      ロッテ、「鬼滅の刃マンチョコ<無限城編>」を10月21日発売 シリーズ第5弾

      アニメ「鬼滅の刃」とロッテの人気菓子「ビックリマン」が再びタッグを組む。株式会社ロッテは、絶賛公開中の「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 …
    5. タカラトミー「グランドモールトミカビル」を自主回収 子どもの指挟み事故発生で

      タカラトミー「グランドモールトミカビル」を自主回収 子どもの指挟み事故発生で

      株式会社タカラトミーは9月8日、7月19日に発売した玩具「グランドモールトミカビル(トミカ55周年記念特別仕様)」について、子どもの指を挟む…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト