ミリタリーな話題をお届けしている、鉄砲蔵の「ミリタリー魂」。まずは、東北地方太平洋沖大震災にて被災され、命を落とされた方々に哀悼の意を表するとともに遺族の方々、住居や職場、財産を失われた方々の一刻も早い復興を願ってやみません。
さて、今回の大震災、僕の場合は会社の工場で働いている最中の3月11日午後2時46分頃に大きな揺れを感じ、工場内に「揺れている!グラインダー止めて!」と声をかけ、揺れが収まるまで待ちました。
幸い僕たちの働く東京都大田区の会社には社屋にも商品、設備にも損傷はなく、社内の重量物だけ床に下ろして全員早退となりました。
僕の場合は自転車通勤でしたから、途中の道路の損傷もなく帰宅できました。
ただ、連日連夜テレビで流される被災地の映像、ニュースは悲惨を極めるものばかりで…。
幸いにしてインターネットは全く異常なく通じ、おたくまの会員仲間やツイッター仲間全員の無事を確認でき、当日は全く通じなかった電話も翌日にはどうにか繋がり、家族全員の無事も確認できました。
それらのネット上の情報の中で、娯楽産業に携わる方々が震災後の自粛ムード、節電ムードの中、かなり肩身の狭い思いをされているとの話を聞きました。
節電の為、暖房もエレベーターも使わず、毛布にくるまって携帯ゲームで過ごしているとか。
こうなると少しでも明るい話が欲しくなります。
幸い千葉県のサバイバルゲーム場、CIMAX(シマックス)が震災直後の13日(日曜日)から定例会を開催して頑張っておられるとのこと。
しばらくサバイバルゲームは自粛しようか、正直迷っていましたが早速行ってみることにしました。
さて、3月20日朝5時、サバイバルゲーム場CIMAX(シマックス)に向け出発!
写真の表示は自宅最寄りの雑色駅でのエスカレーターと缶ジュース自動販売機。
「節電の為、エスカレーターは使用中止となっております。」
駅構内の缶ジュース自販機には
「大地震に伴い実施される計画停電により、当面の間販売を休止させていただきます。」
被災地の事、福島原発事故の事を考えればしょうがない。
せめて僕らは公共交通機関を使用した省エネレジャーのサバイバルゲームで世の中を盛り上げよう。
思えば、サバゲーって暖房は廃材のたき火のチームがほとんどだし、銃の発射パワーは充電式のバッテリー、後は電車、バスなどの公共交通機関を使えばかなりの省エネレジャーだと思う。
印旛日本医大駅で降りて大成交通バスで最寄りの鎌苅(かまかり)バス停まで10分、そこから歩いておよそ20分のところに写真のようなシマックス入り口看板。
入ってゆくと30台ほどの駐車場、さらに奥には
「ここから先、バイオBB弾以外持ち込み禁止」
「違反者への処置 プラ弾2千発拾っていただきます、WEB上で謝罪していただきます」
※バイオ弾:野山に放置していても土の中の微生物により、3年~5年ほどで分解され、土に還る特殊な素材で出来たエアーガンの弾。プラスチック弾の散乱によって野山が汚染されるとの問題を解決するべく開発されたもの。
サバゲー場によってはプラスチック弾をナイショで使用した際の罰則に5万円の罰金というのも聞いたことがありますが、ここのもかなり厳しいですね。
現在ではバイオ弾も品質がよくなり、命中精度もプラスチックのものと差が無くなってきたのでサバイバルゲームではバイオ弾を使用しましょう。
さて、ようやくシマックス受付に到着。同じテントには売店がありフロンガス(ガス圧式の銃の発射パワーに使用するガス)や様々な種類のBB弾、あんまんやアイスクリームなど必要な消耗品や食べ物まで売られていました。最近のサバゲー場ってどこにもこのくらいの売店があり、ガスや弾の補充は出来ることが多くなりました。
そして右写真が着替えや銃の弾込めなどを行うセーフティーゾーン。
面積はおよそ18m×13mで、この種のレジャーには珍しくガス暖房のストーブが設置されていました。料金は一時間400円。当日はゲームで運動したら暑いくらいの陽気だったのでほとんど使いませんでしたが。
当日は午前中に体に感じる地震が一回、午後には携帯電話の緊急地震速報が鳴りながらも体感地震はなし、など地震がまだあるにも関わらず47名の愛好家が集まってくれました。スタッフの方にお尋ねしてみるとシマックスにおいては地震によるダメージは一切無いとのこと。もうみんなすっかり盛り上がっています。
今回の目玉はこれ!中国のエアガンメーカーA&K社が製造していたエアーコッキングライフルのドラグノフ狙撃銃。僕の家の近所のガンショップ「むげん」で2009年8月に見かけましたが現在ではどこの店頭でも見かけなくなったモデルです。
オーナーの提示額は1万5千円。実銃用のストックとフォアグリップ(写真の木製の部分)を組み込んであるそうで、もし買い手がいれば値下げ交渉にも応じるそうです。
ちなみに、写真の貼り紙のように、代金の1万5千円はソックリ日本赤十字に東日本大震災の義援金として寄付するとのこと。
この方のご家庭では銃のコレクションを減らすように家族に迫られ「家庭内軍縮」が進められているのだとか。
「こういう形でもない限り手放す気になれない。ただでさえサバイバルゲームは風当たりが強いので少しでもこの銃がイメージ改善に貢献出来るといい。」だそうです。
僕の家ももう銃とその修理部品、工具で一杯だしな~。部屋に余裕があったら僕が買いたかった。
※エアーコッキング:一発撃つごとに一回、スライドのレバーを引いて発射する銃。気温に関わらずパワーが安定している、バッテリーやガスなど、エネルギー源を必要とせず、それらの品切れで発射不能とならない、銃と弾倉の総重量が軽量で済むなどの長所がある。
反面、連続して撃てないため、連発式の銃と対等な条件で撃ち合うと不利なため、今ではあえてゲームで使用する人は少ない。
さて、ゲームが始まり、フィールドイン。
フィールドのサイズはおよそ120m×130mくらいで、毎週定例会をやっているせいもあって足下付近の藪は少な目で、どちらかというと地形の起伏やバリケードや櫓(やぐら)を利用して撃ち合うフィールドのようです。
実際、バリケードや櫓(やぐら)も多数設置され、地形も山あり谷ありのアップダウンの多い地形で、地面の丘のように盛り上がった部分をバリケードのように利用したり谷の部分に隠れたりしてゲームを楽しんでいました。
300連発の弾倉使用可で、ボトルや袋での弾持ち込み禁止ながら弾数制限なし。通常の弾倉に納める限り何百発でも撃っていいという内容のおかげもあり、15分のゲーム中、ほぼ四六時中機関銃の連発音がが派手に鳴り響いて大いに盛り上がりました。一日にこのゲームを10回くらい行い、売店の弾やガスが大いに売れまくっていました。
日本全国にこの賑わいが広がってほしいです。
日本全国のみなさん、省エネ、節電も重要ですが、それを踏まえた経済活動で世の中を盛り上げましょう。
そして被災地から移住される方も多くでてくると思います。彼らと手を携え大いに経済を盛り上げましょう。
▼サバイバルゲームフィールドCIMAX(シマックス)
http://www.cimax.jp/
(文・写真:鉄砲蔵)