小さくて丸っこいものって、なんともいえない可愛さがあるもの。メカのかたまりであるロボットも、小さく丸くなることで、とても可愛らしい存在となります。

 造形作家のいもゆでさんは、内部に極小の発光ユニットを組み込んだ、小さな「金属ろぼ」たちを作っています。見るからに可愛いろぼたちについて、話をうかがいました。

 元々は真鍮、洋白、銘木などを組み合わせ、旋盤で加工したオリジナルのボールペンを作っていたといういもゆでさん。「みにろぼ」は2018年ごろから作り始めたそうですが、作るきっかけは内蔵する発光ユニットからだったそうです。

 「当時光るどんぐりライトというものを作っていて、それ用に制作したLED+スイッチ付き電池ボックスを発展させ、より小型化したものを試作したので、これをもとに何か作ってみようと思ったんです」

内蔵される極小の発光ユニット(いもゆでさん提供)

 小型化した発光ユニットを組み込むために構想された金属ろぼたちの大きさは、500円硬貨と同じくらい。3Dプリンタで出力したナイロン樹脂製のボックスに、スイッチとLEDを組み込んで発光ユニットは作られています。電源は小さなボタン電池2つ。

発光ユニットのパーツ(いもゆでさん提供)

 いままでに15体作られたろぼたちは、それぞれデザインが異なり、個性豊かな顔ぶれ。これは外見のデザインとともに、発光ユニットをどのように組み込むか、という設計面でも色々な方法を試しているからだといいます。

それぞれデザインが違う(いもゆでさん提供)

 「頭部が回るとか電池交換用の取り出し方法を変えてみるなどでも特徴がでたりするので1作ごとになるべく技術的な挑戦を盛り込むようにしています。イメージスケッチも起こしますが、鋳造や組み立て工程を考えると無理な場合もあるのでいつも悩みどころです」

発光ユニットを組み込んだところ(いもゆでさん提供)

 それぞれは指でつまめるような大きさ、そして金属製ということもあり、出かける際にも気兼ねなく一緒に連れて行けるのも魅力。いもゆでさんは外に持ち出し、ジオラマ風に撮影した画像もTwitterに投稿しています。

外に連れ出したジオラマ風の写真(いもゆでさん提供)

 これら金属ろぼたちは、ハンドメイド通販サイトCreemaに「いもゆで工房」の名称で販売しているほか、ハンドメイド系イベントでも入手することが可能。特に背景になるような設定はないそうなので、自由な発想で楽しんでほしい、といもゆでさんは語ります。

手とのサイズ感(いもゆでさん提供)

 いもゆでさんの「いもゆで工房」は、2022年10月8日~10日に東京ドームシティ プリズムホールで開催される「東京ハンドメイドマルシェ」に参加予定。出店ブースは10月8日のC-25となっています。ろぼたちにつけられた名前も可愛いので、足を運んだ際には1体ごとの個性を楽しんでみるといいかもしれません。

<記事化協力>
いもゆでさん(@rogma6)

(咲村珠樹)