6月8日~6月16日の期間、西太平洋のグアム島周辺海域で恒例の日米印合同訓練「マラバール2018」が実施されました。対潜戦(ASW)や海上警備(海賊・不審船対処)などの技量を向上させるための共同訓練ですが、各国の実働部隊が交流することで、有事の意思疎通をしやすくするというのも大きな役割です。
今回の「マラバール2018」には、海上自衛隊から第2護衛隊群の護衛艦いせ(DDH-182)、第2護衛隊の護衛艦ふゆづき(DD-118)、護衛艦すずなみ(DD-114)の水上艦部隊と搭載航空機(SH-60)、潜水艦そうりゅう(SS-501)のほか、第32飛行隊のP-1哨戒機が参加しました。
アメリカ海軍からはミサイル巡洋艦アンティータム(CG-54)やミサイル駆逐艦フィッツジェラルド(DDG-62)らが参加。インド海軍からはフリゲートのサヒャディ(F49)や補給艦シャクティ(A57)などが参加し、洋上給油や海上警備行動(不審船舶への移乗・制圧)、対潜水艦作戦などの技量向上を図りました。
また、多国間合同訓練の目的は、単に戦技向上だけにあるのではありません。現場の兵士たちが交流し、互いの文化や考え方を学んだりすることも重要です。海での事案は複数の国が関係することが多く、現場で対処する人間同士の信頼関係は非常に重要です。
という訳で6月9日、訓練に先立って、グアムに集合した参加各艦艇の親睦を図る球技大会が、アメリカ海軍の体育施設で行われました。種目は男子バスケットボールと、男女混合のバレーボール。
海上自衛隊の「ふゆづき」チームとアメリカ海軍「アンティータム」チームのバスケットボール対決は、専用のユニホームまで用意しているアメリカ海軍のやる気に少々押され気味。シュートでも高さの違いを感じてしまいます……「アンティータム」チーム23番の選手のシュート、まるでマイケル・ジョーダン選手のようです。
バレーボールは男女混合ということもあり、相互交流には向いているかもしれません。海上自衛隊、アメリカ海軍、インド海軍の選手たちが元気に躍動します。
なお、試合結果については各国の誇りと威信に関わるため、トップシークレット。しかし勝敗はともかく、試合が終わればみな仲良くなっていました。このように、先に相互理解を深めておけば、続く訓練でも相手の「顔」が想像できて、より連携が深まるものなのです。
Image:U.S.Navy
(咲村珠樹)