子どもからお年寄りまで、今や幅広い世代に使われているインターネット。そしてツイッターやインスタグラムなど、全体公開で発信できるSNSは仲間を見つけやすかったり、好きな物事の情報を手軽に発信・受信できます。しかし、その手軽さゆえにSNSを介した事件や、プライバシーの侵害といったケースも散見されています。

 「時々「〇〇さんを〇〇(場所)でみた~~!」って、軽い気持ちで発信されたつぶやきなどを目にするとゾッとします。 知らぬ間に自分の居場所を全世界に発信されて、どうやって悪い人から身を守ったらいいのか?これは、アイドルとか関係ない。誰しもが晒されてる危険だと思う」と、自身のツイッターで発信しているのは、でんぱ組.incのリーダーである相沢梨紗さん。

 その後にも、「アイドルとか関係ないのよ。もし自分の子供が『〇〇小学校の〇〇ちゃん可愛い』ってSNSに書かれてたら怖すぎるって思うんだけど、伝わるかね」と、プライバシーについての在り方を問うツイートを発信しています。

 これらのツイートを見た人たちからは、「Twitterがついつい身近過ぎて全世界に発信してるという感覚が無くなっている」「絶対やっちゃいけないことだよね。 アイドルである前に一人の人間だし」「怖い感覚伝わります」といった反応が。そして「つい無意識にやってしまいそうになるから気を付けないと」と自戒の声も。

 自分で自分が今どこで何をしているかを自発的に発信する分には、その責任が自分に返ってくるだけなのでまだ自己責任で済んでしまいます。しかし、もし知らない人から「あなた〇時頃、〇〇で△△していたよね」って話しかけられたと想像してみたら……?何で自分の事知っているの?どこで見張っていたの?とゾッとすると思います。しかも、それを直接自分のSNSに書き込まれるという事は、世界中に自分の行動を意図せず明らかにされてしまうという事。一般人でも怖い思いをするはずですが、これがアイドルや有名人が標的にされてしまうとなると、絶えず監視の目を向けられている様な気持ちになって相当な恐怖となるのではないでしょうか。

 世の中には「有名税」なんて言葉がありますが、有名になったからといって、誰かにプライベートまで監視されて言いふらされたり、いわれのない言葉を浴びせられるというのは、やはり間違っているとは思いませんか?有名でなくても、ストーカーによる被害事件も時折報道されています。SNSを経由した事件も報道されています。また、自分が撮った写真に一緒に写りこんだ人に何らかの被害が及ぶケースもあります。人物だけでなく、写真の背景にも要注意。部屋や外の風景に写り込んだもの(カレンダーや制服、ゴミの収集予定表、電柱の住所表示やバス停など)が、その人の生活圏や通っている学校の手がかりになるケースもあるんです。

 最近は小学校でも、ネットリテラシーについての学習時間が設けられているところもあり、具体的に「一緒に撮った子が写っている写真を本人の許可なくSNSに投稿しない」という内容や、プライバシーに関する情報セキュリティについてなど情報モラルの学習も行っていますが、まだまだネットリテラシーについての理解が不十分な子どもがSNSを利用しているケースも多くあります。これは子どもに限った事でもなく、大人でもモラルのなさを露呈している人も見かけます。「仲間内しか見ていない」と思い込んでいませんか?ネットにアップしたデータは、必ず不特定多数に向けて公開されていると思った方が無難です。

 もし自分が自分の知らないところで、全世界に対して晒しものにされていたら……そんな想像、少ししてみるだけでも、SNSなどの使い方を考える事に繋がるかもしれませんね。

<参考>
第5章情報モラル教育:文部科学省

※スクリーンショットは相沢梨紗さん公式ツイッターアカウント(@RISA_memesama)より

(梓川みいな)