バレエ女子の皆さん、「痛いと思ってトゥシューズを脱いだらマメができていた」「マメが破れてタイツに血がにじんでいた」こんな経験ありませんか?(そして、お風呂でしみる……!)
優雅なイメージのトゥシューズですが、マメ、タコ、巻き爪、皮むけなどのトラブルが起こるのは「バレエあるある」ですよね。今回は、トゥシューズを履くときのトラブルで最も多いであろうマメの対策について、バレエ歴21年・トゥシューズ歴16年の筆者が解説します。
使うのは、どの家庭にもある日用品です。簡単かつリーズナブルなので、ぜひ参考にしてみてください。
※トゥシューズの表記について:「toeshoes」をカタカナ表記する場合「トーシューズ」が正しいとされていますが、本稿では日本にあるバレエ用品店やバレエの専門書籍等が主に使用している「トウシューズ」「トゥシューズ」の2つのうち、「トゥシューズ」を優先して使用しています。
■ トゥシューズのマメ対策
筆者がトゥシューズのマメ対策に使用しているのは「冷却ジェルシート」です。「冷えピタ」や「熱さまシート」といった商品名の方が馴染みがあるかもしれません。
使用方法は、貼りたい箇所に合わせてシートをカットし、マメができやすいところに貼る、これだけです!
ジェル部分がクッションになり、マメを防いでくれます。貼る場所に合わせて好きな大きさにカットできる点、スーパーやコンビニでも購入でき、価格が安い点もメリットです。
ちなみに、冷却ジェルシートをテープなどで固定する人も見かけますが、筆者の場合、テープで固定しても踊っているとシートがどんどんズレるので、テープは使用していません。
トゥシューズを履き替えるタイミングで、シートの位置を戻したり、新しいシートを貼ったりしています。ただし、長時間のリハーサルでトゥシューズを脱ぐタイミングがない人は、テープで固定するのも一つの手です。または、バレエ用品店で販売しているトゥキャップ(ジェル状の指サックのようなもの)を使うのもおすすめです。
個人的にマメ対策で一番大事なのは「予防」だと思っています。マメができていなくても、マメができやすい箇所に冷却ジェルシートを貼っておくのです。
トゥシューズを履き始めたばかりで、マメができやすい箇所が分からない人は、親指と小指の側面に貼ってみてください。足の形にもよりますが、親指と小指の側面は、トゥシューズで立ったときにトゥシューズの側面が当たってマメができやすいです。
トゥシューズを素早く履かなければいけない人は、冷却ジェルシートを予めカットしておくのもよいでしょう。筆者が以前舞台でご一緒したプロのダンサーの方は、小さな密閉容器にカットした冷却ジェルシートをたくさん入れていました。シートの端が乾燥して硬くなりやすいというデメリットはありますが、時短テクニックとしておすすめです。
■ マメができてしまったときはどうする?
マメができてしまったときは、絆創膏などでマメを保護し、その上から冷却ジェルシートを貼りましょう。
皮が剥けてしまった場合は「キズパワーパッド」がおすすめです。早く治りますし、何よりお風呂の際にしみません!
■ トゥシューズ・トゥパッドが合っていない可能性も
対策をしていてもマメができてしまう人は、トゥシューズやトゥパッドを見直しましょう。
足に合っていないトゥシューズは、シューズの中で必要以上に足が動いたり、足指がトゥシューズに締め付けられたりして、マメができる原因になります。
トゥパッドは、形・素材によって履き心地がかなり変わるので、フィッティングで試してみるのがおすすめです。好みにもよりますが、マメができやすい人は厚めのトゥパッドがよいでしょう。足指にかかる衝撃を和らげてくれます。
※フィッティングについて:多くのバレエ用品店では現在、感染症対策を目的にトゥシューズのフィッティングは予約制になっています。関連グッズに関しても、同様の可能性があるためフィッティングを希望する場合には、行くお店のルールを事前に確認してください。
■ マメ対策は「予防」が肝心
「トゥシューズのマメ対策に冷却ジェルシート」は、もはやバレエ界では常識となりつつあります。しかし、マメができたときだけ使っている方も多いのではないでしょうか。
マメ対策は「予防」が肝心です。マメができると痛みで踊りに集中できませんし、痛い部分をかばって変な癖が付く可能性もあります。普段からマメ予防を行い、100%の状態でレッスン・リハーサルに臨みましょう!
(上村舞)