警視庁警備部災害対策課のTwitterアカウントが9月2日、台風に備える防災知識を紹介して注目をあつめています。

 紹介した内容は、窓の備え。台風時に強風が吹き荒れる中では、道にある小石から庭の鉢植え、路上看板、とにかく外にある全てのものが飛ぶ凶器になり得ます。このため、台風への「窓の備え」は、「窓ガラスが割れた時に少しでも室内に破片を飛散させない」ことも大事。

 そこで警視庁警備部災害対策課では、今回の内容を「あくまで急遽の措置」としつつ、雨戸がない場合や、「事前に飛散防止フィルム」で対策できていなかった場合の方法として、家の中と外の備えを紹介しています。

■ ノーガードよりはしたほうがいい

 まずは家の中からの窓の備え。内側から段ボールで窓枠まで塞ぎ、枠、中央とテープでしっかりと固定してしまう方法。そして段ボールが足りない場合にはカーテンの開く部分を洗濯ばさみで固定する方法の2つを紹介しています。

 「あくまで急遽の措置」なので、簡易的で気休めにも見えてしまいますが、飛来物により窓ガラスが割れたときには多少なりとの破片の飛散防止に役立ちます。

 実は筆者自身が子供の頃、九州の実家で何度か台風被害を経験しています。このとき、例にもれずよそからの飛来物(石、鉢植え、瓦)により雨戸のない窓が割れてしまったのですが、窓ガラスをガムテープで固定し、さらに段ボールで塞いでいるかいないか、カーテンをしっかり閉めているかいないかだけでも、ガラスの飛び散り方がかなり異なりました。

 個人的には窓ガラスをガムテープや養生テープでバツ字で固定した上、さらに内側から段ボールでしっかり覆ってしまうことをオススメします。また、台風が来ることが分かっている時には、寝るときの枕元に、起きている時間ならば室内のすぐ目につくところに「靴」を一足置いておくこともオススメです。窓ガラスが割れた時や、すぐ逃げなければならない時に必ず役にたってくれます。

■ 室外に置いているものは家の中へ

 次に、警視庁警備部災害対策課のTwitterでは、室外に置いたものも全て取り込むようすすめています。これも経験から言わせていただくと、絶対にやっておいた方がいい備えです。自分の家だけでなく、近所の家を守るためでもあります。

 自分の家のものが自分の家にあたって何かが壊れたなら、自分のせいなので仕方ない話。ところが、自分の家のものがよそに飛んでいって窓ガラスを割った、ケガをさせてしまった時に何が起きるか。ご近所関係に法律では解決できない、強いわだかまりを残すことがあるのです。

 先述した筆者の家の窓ガラスが割れた原因の一つも、向かいの家からの飛来物(見覚えのある鉢植え)でした。その後しばらく、お向かいさんとの関係がギクシャクしたのは言うまでもありません。

 台風は来ることが分かっている自然災害。来ることがわかったら、すぐにでも窓の備えに家の外の物の片付けを行ってください。片付けるものは、鉢植えに、じょうろなどの庭道具から、物干し竿、ゴミ箱、さらには自転車など意外に沢山あります。

 ちなみに自転車の場合は家の中に入れられない事があると思います。その場合は、柱や何かにロープで縛り付けておくといいでしょう。もし縛るところがない場合は、せめて横倒しに。横倒しにしておけば、倒れたとき何かにぶつかって自転車が壊れた、何かを傷つけてしまった(家の駐車場に自転車を置いている場合は倒れて車を傷つけてしまうケースがよくある)、ということは少なくとも防げます。

 同じく大きな物干し竿も、竿から下ろして、床においておくだけ、軒下に入れておくだけでも被害を多少は防げます。

 今回、警視庁警備部災害対策課が紹介したのは、「あくまで急遽の措置」。しかし、全く備えておかないよりかはずっとマシなはずです。我が身や家族、さらにご近所さんも守るため。できることを、できるうちにぜひ。

<出典・引用>
警視庁警備部災害対策課(@MPD_bousai)
※画像は警視庁警備部災害対策課Twitterアカウントのスクリーンショットです。

(宮崎美和子)