立命館大学文学部の東山篤規教授と大阪大学人間科学研究科の足立浩平教授との共同研究「光学的・身体的変換視野の効果(股のぞき効果)」が、第26回イグノーベル賞「知覚賞」を受賞しました。イグノーベル賞の日本人の受賞は10年連続となります。

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「光学的・身体的変換視野の効果(股のぞき効果)」

(光学的・身体的変換視野の効果(股のぞき効果))」

イグノーベル賞は1991年に創設された「人々を笑わせ、そして考えさせてくれる研究」に対して与えられる本家ノーベル賞のパロディー的賞です。突飛な研究が受賞することから多くの関連書籍が出版されるほど注目されています。
日本では2005年にドクター中松こと中松義郎さんが「34年間、自分の食事を写真に撮影し、食べた物が脳の働きや体調に与える影響を分析したことに対して」という研究で栄養学賞を受賞し大きな話題を集めました。

その他、1997年には「「たまごっち」により、数百万人分の労働時間を仮想ペットの飼育に費やさせたことに対して」という研究で横井昭裕さんと真板亜紀さんが経済学賞、2002年には「犬語翻訳機「バウリンガル」の開発によって、ヒトとイヌに平和と調和をもたらした業績に対して」で佐藤慶太さん、鈴木松美さん、
小暮規夫さんが平和賞を受賞するなど、日本ではヒット商品に関する研究でも受賞することが多いことでも知られています。

今回、知覚賞を受賞した研究は立った状態で足を広げて上体を折りまげ、足の間から「股のぞき」したときに視野が平面的に見え、さらに遠くの物が小さく接近して見えるという現象の解明が対象となっています。
同じ景色でも「股のぞき」で見てみると全く違った風景が広がっていることがあり、そうした疑問から発展した研究なんだそうです。

東山教授は「こういう浮世離れの感がする研究を真剣に取り上げ、評価してくれたことを嬉しく思う」とコメントしており、今後も誰もしないようなおもしろい研究を若い学生や研究者が取り組んでいく励みになることを願っているそうです。
今後も人々をクスッと笑わせたり奇想天外な研究が発表されたりと、益々イグノーベル賞から目が離せませんね。

(立命館大学文学部の東山篤規教授)

(立命館大学文学部の東山篤規教授)

(文:大路実歩子)