「ご当地グルメ」ともいわれる、日本各地に存在するその土地ではお馴染みの郷土料理。
カツオのたたきなど海の幸に恵まれた高知県では、それらや寿司などを大皿にてんこ盛りに盛り付けた「皿鉢(さわち)料理」が有名ですが、実はそこに色鮮やかな「羊羹」を盛り付けるのも定番なんです。
「高知の羊羹。県外でネオン羊羹とかケミカル羊羹とかいわれている郷土料理です。これだけを単体で食べることはなくあくまでも料理の添えもの。さっぱりしたシナモン味が酒の箸休めにピッタリなんです
緑色は下が淡雪と白あん、ピンク色は淡雪とあずきあんの羊羹です。わたしは緑色が好きかな」
Twitterに食事風景を紹介したのは作家の伊藤美代子さん。
「幼少期から大好きで、『再会』するたびに懐かしくて嬉しくていつも写真を撮っているんです」
高知県で生まれ育ち、東京都へ移住した後、数年前に帰郷した生粋の「高知人」の伊藤さんにとって、「ソウルフード」にあたるのが「羊羹」。ところがそれは、恐らく高知県民以外では馴染み深い濃い茶色ではなく、ネオンカラーと形容できそうな鮮やかな緑。
実は高知では、「皿鉢の三色ようかん」とも称される緑もしくはピンクの羊羹を盛り付けるのが定番。味付けも、大部分がシナモン香るさっぱりとした味わいなのです。
また、料理の添えものという用途のため、伊藤さんが今回投稿した「おせち料理」でもお馴染み。年末になるとスーパーで数多く売り出されます。
ちなみにシナモンの要因であり、緑やピンクに着色される原料になるのが「ニッキ水」。飲むと舌や喉がピリピリしびれるのが特徴な清涼飲料水で、こちらも四国では人気の飲み物。
「多くの方に見ていただいて、やっぱり謎の羊羹だったのだなと納得でした」
特にこの時期になると、「ネオン羊羹」「ケミカル羊羹」などと称されSNSでも盛り上がるのですが、“当事者”となり改めてそれを実感した伊藤さん。
「すごくよく分かるんですけど、本当はよくできた美味しい『羊羹』であることも知ってほしいですね」
と、それは高知県民、そして自身にとっての大切な「思い出」であることも付け加えています。
高知の羊羹。県外でネオン羊羹とかケミカル羊羹とかいわれている郷土料理です。これだけを単体で食べることはなくあくまでも料理の添えもの。さっぱりしたシナモン味が酒の箸休めにピッタリなんです
緑色は下が淡雪と白あん、ピンク色は淡雪とあずきあんの羊羹です。わたしは緑色が好きかな pic.twitter.com/bfjnKP5KgT— お出かけむぅちゃん☀️文鳥 (@gelatik_putih) January 1, 2023
<記事化協力>
伊藤美代子さん(@gelatik_putih)
(向山純平)