おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

小学生はなぜ学校のトイレでウンコをするとオーバーに騒ぐのか?

update:

トイレ先日投稿した、『変質者はなぜ全国共通で「パンツの色何色?」と聞くのだろう?』という記事。各方面で物議をかもし、twitterを通じ様々な意見をいただいた。

数千にものぼる意見をひとつひとつ拝見するなかで、「次はこれを考えて欲しい」という要望をいくつかいただいた。今回はそうした要望の中からひときわ異彩を放っていたこの疑問について考えてみたいと思う。


  • 「小学生はなぜ学校のトイレでウンコをするとオーバーに騒ぐのか?」

    学校で「ウンコ」をする。それがなぜここまで小学生にとっては重大事項なのだろうか?
    その疑問がまず浮かび上がる。

    ウンコをするということは人間生きていれば誰しもが経験する生理現象のひとつ。

    ひと昔前には「私トイレにはいきません(キラッ☆)」というアイドルが存在したが、実際のところそんな話だれも信じてはいない。

    アイドルだろうが、生まれたての赤ちゃんだろうが生きてれば必ずウンコをする。
    ごく当たり前のことがどうして小学生にとってはそんなにも問題なのだろうか?

    この問題について思い返すと、今から35年前。筆者が小学校に入学した当時の頃を思い出す。

    当時の筆者はウンコをもよおすと、教室から一番近いトイレではなく、わざわざ遠くの旧校舎の中にある人気のないトイレまで行って済ませていた。
    理由は当時クラスにいたW君という少年。その子が教室の近くのトイレでウンコをしていたのが発覚し次のように冷やかされたのを目撃していたからだ。

    ――ウンコマン

    小学1年生という親の世界からやっと一歩社会に踏み出したばかりというこの年齢で、そうした事態はとても衝撃的かつ深刻な問題であった。
    そして、当時の私は「ああはなるまい」と強く決心したことを今だ鮮明に覚えている。

     
    本題に戻るが「小学生はなぜ学校のトイレでウンコをするとオーバーに騒ぐのか?」という疑問。

    原因を仮説としていくつか挙げていく

    ▼仮説
    (1)トイレを綺麗に使わない
    (2)匂いがきつい
    (3)子供は「ウンコ」という言葉が大好き

    (1)については共有するトイレということもあり、綺麗に使用しない者への罰としてこうした事態が発生していったのではないかと考えられる。
    小学校といえば、教室もトイレも皆で掃除するのが当たり前。
    皆で綺麗に使いたいという思いが根本にあり、綺麗に使わない者は注意する=特定する必要性があった。そして更に、その流れから冷やかすなどの行為に発展し、他の一般生徒含めみんなが学校でウンコをしずらくなったのではないか。そう考える。

    (2)については、トイレで大をすることにより、残存する匂いで後から入る人が不快な思いをするということもあるだろう。そうした事態を回避する目的で(1)の説明のような事が行われたのではないかと同じように考える。

    そして(3)について。これについては、まず本稿をお読みの読者それぞれで、子供のころを思い返して欲しい。
    子供の頃「ウンコ」や「オナラ」というワード。何故か頻繁に使用していた事を覚えていないだろうか?

    最近では「うんこ!」(文:サトシン/出版社:文溪堂)という絵本が発売され、幼児を中心に高い支持を集めている。
    この本を幼稚園児などの前で読み聞かせすると、タイトルの「うんこ!」を先生が一言発しただけで子供からは大爆笑が沸き起こるという。

    試しに、知人のお子さんにこの本を読み聞かせてみたところ。「ウンコ」という言葉が出てくるたびにたしかに笑いが起こる。
    なぜ「ウンコ」がおかしいのかは定かではないが、とにかく「ウンコ」という言葉は異常なまでに幼い子供達を笑わせる魔法の言葉のように感じられた。

    そうした事から考えると、恐らく子供にとっては「ウンコ」という言葉は、実は嫌いではなくむしろ「好き」なものであり、みんなを笑わせる事ができる「魔法の言葉」そういう風につながっていったのではないだろうか。
    そして更には、誰もを笑わせる魔法の言葉を使用する場面を求め、小学生達はトイレの使用状況調査に乗り出していった……私はそうも考える。

    そうすると、先に触れた「ウンコマン」という称号。
    「ウンコマン」とあだ名されると、憤慨する者がほとんどだが、中にはそれをバネに一気にスターダムを駆け上がりクラスの人気者になる者もいたように記憶している。

    そう考えると「ウンコマン」という称号は、実は不名誉なあだなではなく、勇者として素質のある人間にだけ与えられる「試練だった」そう考えられなくもないだろうか?

    ――ウンコマン

    一説には、1クラスに2人はいるとされる「ウンコマン」。全国規模で考えると、20万人もいるという。
    今もどこかで戦う「ウンコマン」達……その未来に幸多かれ。そう願わずにはいられない。

     
    なお、この「小学生が学校のトイレでウンコをできない事態」について、ここ十数年学校教育では様々な取り組みが行われている。
    「学校でウンコしても大丈夫!」という現場での指導は勿論、それを冷やかす行為の禁止。
    また、和式トイレの使用方法をNHKが放送するなどもしている。

    そうした効果もあり、「学校のトイレでウンコをするとオーバーに騒ぐ」という事態はここ近年めっきり減ってきており、世代によっては驚かれることもある。

    そのため、本稿については世代及び、教育の状況により受け止め方に差が出ることご理解いただきたい。

    (文:宮崎美和子)

    あわせて読みたい関連記事
  • 大量荷物をランドセルに合体! 夏休みを迎える“小学生あるある”に共感の声
    インターネット, おもしろ

    大量荷物をランドセルに合体! 夏休みを迎える“小学生あるある”に共感の声

  • 小学校低学年向け「妖怪ドリル」発売!すべての問題に妖怪が登場してアドバイスも
    商品・物販, 経済

    小学校低学年向け「妖怪ドリル」発売!全ての問題に妖怪が登場してアドバイスも

  • 便器にすっぽり!アンパンマンにもトイトレをしてあげたかった2歳児
    インターネット, おもしろ

    便器にすっぽり!アンパンマンにもトイトレをしてあげたかった2歳児

  • コロコロコミック(画像:編集部にて撮影)
    インターネット, おもしろ

    語彙は豊富だが、喋る内容がつまらない息子……「コロコロコミック」を買い与えてみた…

  • 画像提供:トキメキ戦争さん(@Lovekyun_Hero)
    インターネット, おもしろ

    おばあちゃん流新解釈? 本当に「おくだけ」にされた「ブルーレットおくだけ」事件

  • 「ひとりでトイレにいくときは」母が6歳息子に作ったイラスト豆本が便利すぎる
    インターネット, 社会・物議

    「ひとりでトイレにいくときは」母が6歳息子に作ったイラスト豆本が便利すぎる

  • 自宅のトイレに置かれた「男性も座ってご使用ください」の案内に様々な声
    インターネット, びっくり・驚き

    自宅のトイレに置かれた「男性も座ってご使用ください」の案内に様々な声

  • 電車オタクの息子のために「狂気のトイレ」が完成
    インターネット, おもしろ

    電車オタクの息子のために「狂気のトイレ」が完成 トイレトレーニングは成功?

  • 画像提供:のこのしまアイランドパーク公式X(@W2Yh7w9NLzeE2qs)
    インターネット, おもしろ

    福岡・のこのしまアイランドパークの看板キャラ名決定!「俺は間に合わなかったがトイ…

  • 10年間ノートに片目を落書きし続けた結果……画力がとんでもないことに
    インターネット, びっくり・驚き

    10年間ノートに片目を落書きし続けた結果……画力がとんでもないことに

  • おたくま編集部Editor

    記事一覧

    おたくま経済新聞・編集部による監修or執筆

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • 介護未経験者全体の72.9%が将来に向けて「特に何も準備していない」
    社会, 経済

    仕事と介護の両立に不安85% ダスキンが「介護白書2025」で実態調査

  • プリキュア映画ぬりえコンテスト、第三者による不正応募判明 公式が謝罪と訂正
    アニメ/マンガ, ニュース・話題

    プリキュア映画ぬりえコンテスト、第三者による不正応募判明 公式が謝罪と訂正

  • 美食祭 in 日本橋三越
    TV・ドラマ, エンタメ

    高見沢俊彦の“美しいメシ”100回記念 日本橋三越で初の美食祭

  • なか卯が“ウニの二大メニュー” 雲丹おろしうどんとウニ丼を9月17日から販売
    商品・物販, 経済

    なか卯が“ウニの二大メニュー” 雲丹おろしうどんとウニ丼を9月17日から販売

  • 掃除機「自動お手入れ機能」篇(15秒)
    商品・物販, 経済

    反町隆史、東芝新CMで料理や掃除に挑戦 家庭的な素顔ものぞかせる

  • 音楽劇「謎解きはディナーのあとで」(撮影:阿部章仁)
    エンタメ, 舞台

    上田竜也が毒舌執事に挑む 玉井詩織&橋本良亮と共演「謎解きはディナーのあとで」開…

  • トピックス

    1. 偽ファッション広告

      偽ファッション広告がGoogle広告に大量出現 サポート詐欺被害に注意

      2025年9月上旬からGoogle広告に偽ファッションサイトが急増。数秒で「Windows Defe…
    2. 邪悪なAI搭載「絶対にバズるSNS」で理不尽な炎上を疑似体験→リアルすぎて怖くなった

      邪悪なAI搭載「絶対にバズるSNS」で理不尽な炎上を疑似体験→リアルすぎて怖くなった

      Webコンテンツ「絶対にバズるSNS」が9月15日公開。9月26日公開映画「俺ではない炎上」と連動し…
    3. 26年前のMMORPG「Dark Ages」、YouTuberの挑戦で限界集落から奇跡の再生

      26年前のMMORPG「Dark Ages」、YouTuberの挑戦で限界集落から奇跡の再生

      26年前にリリースされたMMORPG「Dark Ages」をご存じでしょうか。年月とともに人口は減少…

    編集部おすすめ

    1. 英国伝統のうなぎ料理は“水槽の味”?日本にはない「ゼリー寄せ」の衝撃

      英国伝統のうなぎ料理は“水槽の味”?日本にはない「ゼリー寄せ」の衝撃

      日本でうなぎといえば、甘いタレをつけて香ばしく焼き上げた「蒲焼き」が定番のスタイル。白焼きなどもあるにはありますが、うなぎといえばやっぱり蒲…
    2. たこばさんの「糸こんにゃく炒飯」

      えっ…これ糸こんにゃく!?目も舌も騙される“ヘルシー炒飯”を実際に作ってみた

      「糸こんにゃくで作った炒飯が本物そっくりに仕上がる」と聞いたら、信じられるでしょうか。大阪市のたこ焼き店「たこ焼たこば」の店主がSNSに投稿…
    3. 虎ノ門ヒルズの「どこか奇妙な職業体験」が話題 ゴミを拾いながら物語の世界へ没入

      虎ノ門ヒルズの「どこか奇妙な職業体験」が話題 ゴミを拾いながら物語の世界へ没入

      虎ノ門ヒルズで清掃員の仕事を疑似体験しながら、非日常な体験に巻き込まれていく……そんな不思議な没入型体験イベント「どこか奇妙な職業体験 虎ノ…
    4. あれー?どこかなー?伸びしろしかない3歳児の“全力”かくれんぼが手強すぎる!

      あれー?どこかなー?伸びしろしかない3歳児の“全力”かくれんぼが手強すぎる!

      子どもにとってかくれんぼは、ハラハラドキドキのスリリングな遊び。自分だけにしか分からないであろう隠れ場所を見つけて「ここなら大丈夫」「絶対見…
    5. プリキュア映画ぬりえコンテスト、第三者による不正応募判明 公式が謝罪と訂正

      プリキュア映画ぬりえコンテスト、第三者による不正応募判明 公式が謝罪と訂正

      アニメ映画「映画キミとアイドルプリキュア♪ お待たせ!キミに届けるキラッキライブ!」公式は9月12日、「キミプリ♪ぬりえコンテスト」において…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト