今、聖地ファンの間で「近畿の五芒星巡り」というものが密かに流行している。
近畿地方にある5つの聖地を結ぶと、美しいまでの五芒星が浮き出てくる。通称「近畿の五芒星」とよばれる存在だ。その五芒星を描く5つの聖地を巡る旅が、昨今の「パワースポットブーム」と相まって密かな人気を集めているのだ。
場所はおよそ以下の5箇所とされている
(1)伊弉諾神宮
創建:神代
所在:兵庫県淡路市
主祭神:伊弉諾尊
(2)熊野本宮大社(旧社地)
創建:崇神天皇65年
所在:和歌山県田辺市
主祭神:家都美御子大神(素蓋鳴大神)
(3)伊勢神宮内宮「皇大神宮」
創建:垂仁天皇26年
所在:三重県伊勢市
主祭神:天照坐皇大御神(一般に「天照大神」)
(4)元伊勢内宮「皇大神社」
創建:崇神天皇39年
所在:京都府福知山市
主祭神:天照大神
(5)伊吹山
所在:滋賀県/岐阜県
創建:―
この五芒星は各所の創建年をみるに、約2000年前には成立していたのが推測できる。
伊吹山は古来から霊山として崇められており、山全体が神聖なものとされてきた。そして他4箇所についてはそれぞれ2000年以上(伝承上で)歴史がある。この五芒星について各所調べるうち色々わかったこともあるが、あまり長くなるのでそれにについてはまた今度にしておくとして……。
現在では、五芒星がどうした意図で作られたかその理由を知ることはできない。ただ、この大地に描かれた五芒星の神秘的なまでの美しさと、そして何かを感じさせるパワーから、五芒星を成立させる5つの聖地は「最強パワースポット」として聖地ファンの間でそう呼ばれている。
写真撮影のため何箇所か訪問させていただいた時、特に元伊勢に関しては観光地でもなんでもないへんぴな土地、しかも地元の人には「地元の人間でも正月以外行かないし、観光マップに載ってないから観光客なんか普通こない」(近隣で「元伊勢」というと天の橋立の「籠神社」の方が有名です。)と言い切られたわりに、元伊勢外宮や内宮では明らかに観光客らしき人を見かけた。その何人かに聞いてみるとやはり五芒星巡りの最中と教えてもらった。皆さんネットなどで情報を仕入れ単独もしくは親しい人だけで巡っているという。
ちなみに、この五芒星巡りに今のところ順序はないようだが、伊勢神宮及び、元伊勢にはそれぞれ内宮の他に外宮が存在する。お伊勢さん参拝は、外宮を最初にお参りして後、内宮を参るのが順序とされているので、折角訪問する際にはぜひその順序に従って欲しい。
これから秋の季節、いずれも紅葉が美しい土地ばかり。この秋旅行をお考えの方は、候補地としてこの「最強パワースポット巡り」も考えてみてはいかがだろうか?
近畿の五芒星Googleマップ:http://goo.gl/maps/FKoSP
(文:宮崎美和子)