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ブルートレイン終焉に想う

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「北斗星」が運転を終了しました。これで、「ブルートレイン」と呼ばれた列車は消滅しました。まだ「はまなす」が残っていますが、夜行列車で寝台車もついているものの、座席車を連結する場合はブルートレインに含めない定義もあるようですのでここでは対象外として考えます。

  • 【関連:さようならブルートレイン、さようなら『北斗星』、貴重な映像収録した『記憶に残る列車シリーズ 寝台特急編 北斗星・あけぼの』配信決定】

    北斗星

    「北斗星」は、ワタシにとって最も多く乗ったブルートレインでした。北海道が好きということも理由です。
    ですが、ワタシが最も親しんだのは、東海道線を走るブルートレイン達でした。「さくら」「はやぶさ」「みずほ」「富士」「あさかぜ」という九州陣に、「出雲」「瀬戸」「紀伊」という本州陣が次々と東京へと上ってくる所を、小学生時代、毎週のように見に行きました。しかし、結局、下りの九州ブルートレインには乗ることはありませんでした。

    一度、熊本への飛行機が取れず、「はやぶさ」で出張しようとしたのですが、上司からとめられてしまいました。上りの九州ブルートレインには何度か乗る機会がありました。そして北斗星との違いに気付きました。風景です。
    九州ブルートレインは、わりと切れ目なく町中を走っていて、風景が比較的単調です。北斗星は北海道に入って大沼を過ぎたあたりから、「北海道らしい」景色の中を走るのです。この違いは乗ってみるとより鮮明で、北斗星の大きな魅力でした。

    さてそんな北斗星も運転を終了しました。実は昨年、家族で乗車したのですが、乗車した車両の製造年は昭和50年台でした。それも元々は九州ブルートレインとして製造されたであろう車両です。まさか北海道の酷寒の中で半生を過ごすとは予想外の出来事だったのではないかと想像します。
    車内も外観もだいぶくたびれており、交換車両を用意する気が無ければ運転の取りやめもやむなしと感じました。

    生活レベルが向上した今の時代。寝台列車・夜行列車は、あまりプライバシーがなく、携帯電話を充電できるコンセントもなく、寝心地もさほど良いとは言えず…生活水準向上に対してついてこれなくなってしまったのではないでしょうか。
    安く行くなら夜行バス、早く行くなら新幹線に飛行機が普通になっています。あまり遠くない未来に、「昔は夜走る列車があったんだよ」と昔語りする時代が来るのかもしれません。

    (文:エドガー)

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