人が突然倒れた、いきなり意識がおかしくなったなど、一刻を争う状態に出くわすことってそう滅多にないのですが、滅多にない分いざ救急車を呼ぶ時に何を伝えたらよいのか焦ってうまく伝えられなくなります。そんな時のためのテンプレートを医師がツイッターに投稿し、注目を集めています。

 このツイートはフリーランス整形外科医のおると医師によるもの。

救急車呼ぶ時って焦るよね
呼ぶ時はこのテンプレ通りやろう

(1)119番に電話

(2)「救急」と伝える

(3)住所を市町村名から伝える
 近くの目印の情報もあるとベター

(4)現在の状況を説明する
 だれが、どうして、どうなった

(5)通報者(自分)の名前と電話番号を伝える

とにかく落ち着いて!

 と、救急時の通報手順を説明しています。その後のツイートで、救急隊が到着するまでに用意しておきたい情報や必要なものを説明しています。

 救急隊が現場で欲しい情報は、いつ、どのような変化があって救急車を呼んだか。その時の状態、到着する間に症状変化があればそれもできるだけメモか何かに記録しておくとよいでしょう。

 親しい間柄であれば、分かる範囲で救急隊に「持病」や「内服薬等の有無や内容」も伝えておけるようにメモを取っておくことも救急隊にとっては助かる情報。救急隊はその場で患者さんの状態を確認、救急車内で必要な処置を行うため、これらの情報があるとどのような処置をすればいいのか判断しやすくなります。

 さらに、「住所を最初にいう理由は、一分一秒でも早く救急隊が現場へ向かうためです。早さが重要視される状況も多々ありますので、この順番は極めて重要です。焦ると状況を先に伝えがちになります」と説明。

 救急車の現場到着所要時間は全国平均で8.6分という総務省の発表にもあるように、屋外で遭遇した場合、もしこの間に意識がない、呼吸や脈が止まっている、硬直して倒れているなどがあれば、すぐにAEDを持ってきて、患者さんの体に装着することも必要となってきます。

 心肺停止の危険性がすぐにはなくても、自宅から救急車を呼ぶ必要があり、すぐに病院で処置をすべき症状がある時は、患者さん本人の保険証、現金、靴、乳幼児なら「母子手帳、おむつ、哺乳瓶、タオル類、お気に入りのおもちゃあたり余裕があれば用意しましょう」と続くツイートで説明しています。

 このツイートを見た人たちからは、「事故現場などで住所がわからない時は、電柱や自販機にある設置場所の住所を見るとよい」「意識を失った家族に救急車を呼ぶ時、頭が真っ白になってしまいうまく伝えられなかったので、以来壁に家族の住所・電話番号・家族の名前・生年月日・血液型を表にして貼っている」といったコメントが。

 救急対応をしている大きな病院が普段かかりつけであれば、その診察券もあるとスムーズに救急隊も搬送先を確定しやすくなります。

 一方、受け入れ側の病院も、診察券があればあらかじめ患者さんのカルテを診察券番号から呼び出すことができるので、患者さんの保険証ケースなどをお薬手帳とともに準備しておくと救急隊にとっても、受け入れ側病院としても助かります。

 突然の病気やケガなどで、救急車を呼ぶときは気が動転しがちですが、普段から通院している人は保険証と診察券、お薬手帳などをひとまとめにケースに入れておき、外出時は必ず携帯しておくことをお勧めします。

 また、街中や公共施設などで倒れた人や事故によるケガなどを目撃した人は、素早く救命行動が行えるよう、市民講座などで行っているAEDの使い方講座や救急講習会などを受講しておくとよいですね。

<参考>
総務省|「平成30年版 救急・救助の現況」の公表
<記事化協力>
整形医おるとさん(@Ortho_FL) 
ブログ:フリドク 〜フリーランスの医師が医師転職・非常勤やスポットバイト・フリーランスについて考えるブログ〜

(梓川みいな/正看護師)