BAEシステムズは2020年9月21日(現地時間)、アメリカ海軍から無人機雷処理システム「アーチャーフィッシュ」の追加発注分を8700万ポンド(約1億1600万円)相当で契約したと発表しました。

 2003年から始まったアーチャーフィッシュの発注は、今回で4回目。この発注分で2027年以降も、海軍がアーチャーフィッシュを使い続けることになるとしています。

 アーチャーフィッシュは、魚雷のような形状をした遠隔操作式の潜水型機雷処理システム。アメリカ海軍ではレイセオン製の発射・運用システム(LHS)に4基搭載され、あわせてAN/ASQ-235空中機雷処理システム(AMNS)を形成しており、MH-60Sヘリコプターで運用されています。

 海中に放たれたアーチャーフィッシュは、搭載したセンサー類で捉えた映像とソナー画像を光ファイバーを通じてリアルタイムで送信。運用員はその画像を見ながら処理すべき機雷を確認し、処分までを行います。


 高性能のセンサーにより目標特定がスピーディーになるだけでなく、水中処分員(ダイバー)を必要としないため、掃海任務における危険を低減できるのが大きなメリット。安全かつ迅速に掃海活動を実施できます。

 BAEシステムズで、海事サービス事業・製品及び訓練サービス担当ディレクタを務めるブルック・ホスキンズ博士は「この契約は、アメリカ海軍との強力なパートナーシップを一層強めるものとなりました。これまでBAEシステムズは、機雷掃海任務を20年近くにわたって支援してきました。アーチャーフィッシュは乗員の安全を高めるだけでなく、機雷処理任務の回数とコストも削減します。世界トップレベルの処理能力を誇るとともに、アメリカ海軍に優れたサービスを提供するアーチャーフィッシュは、世界各国の海軍にとっても非常に有用なシステムだといえるでしょう」と、今回の契約を受けてコメントしています。

 今回の追加発注契約には、光ファイバーケーブルのキット、サポート用品、検査・修理・プログラム管理とサポートも含まれるものとなっています。これらの生産・納入は、イギリスのポーツマスにあるアーチャーフィッシュのプロジェクトチームによって実施されるとのことです。

情報提供:BAEシステムズ
Image:BAE Systems/U.S.Navy

(咲村珠樹)