「印鑑」という言葉を聞いて、あなたはどんなものを想像しますか?もしかするとそれ、「印鑑」と呼ぶものではないかもしれませんよ。

 印章・ゴム印・名刺等を製造販売する「永江印祥堂」公式ツイッターアカウントが、つぶやきにてこれを簡潔に解説。そこには目からウロコの事実が記されていました。

■ 写真に写る3種類のハンコはどれも印鑑ではない

 「もう我慢できない……なんでもかんでも”印鑑”と呼ばれることに限界です!」

 ……と、やや憤慨しながらのつぶやきに添えられた写真には、3種類のハンコが写っています。

 左から「自動でインクが補充されるタイプのもの」「押印部分にゴムが貼られたもの」「ケースに入りしっかりとした装丁のもの」ですが……実はこれらはどれも印鑑ではないのだとか。

 つぶやきには続けて「左はネーム印、真ん中はゴム印!あといちばん右の皆さんが”印鑑”と呼んでる物は正式には『印章』です!」とのメッセージが。

 何ということでしょう。筆者は一番右が印鑑だと思っていたのですが、まさかこれまで勘違いしたまま使い続けてしまっていたとは……!

■ 「印鑑」とは役所や銀行などに届け出をだし登録されている「印影のこと」

 そして最も気になる「印鑑」とは、「役所や銀行などに届け出をだし登録されている印影※」のこと。(※印影とは=印章(ハンコ)をおしたときに紙にうつる朱肉跡)

印鑑とは役所などに登録されている印影のこと

 なるほど、言われてみればたしかに役所に登録した実印の書類は「印鑑証明」とかって言いますもんね。

 永江印祥堂ツイッター担当者にくわしくうかがうと、もちろんつぶやきのような怒りはないものの、日ごろの問い合わせやツイートに対する反応等で、どれも「印鑑」と呼ばれる事例があまりにも多く、もやもやすることが多かったのだとか。

 とはいえ、自身も印章業界に入ってから初めて知ったこの知識。ぜひ広く周知したい、という願いから今回のつぶやきを行ったそう。担当者さんのその熱い思い、筆者にはしっかりと届きました!ちなみにいずれも「ハンコ」と呼ぶのは間違いではないそうです。

 なお、一般的に広く「印鑑」で通じてしまうため、日常のシーンで無理に言い換えなくても問題はなさそう。ただし正式な文書には正しく表記したりといった、場に応じた使い分けをする必要はあると言えそうです。

<記事化協力>
永江印祥堂【公式】さん(@nagaeinsyoudou)

(山口弘剛)