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【特撮映像館】Act.31 ゴジラVSデストロイア

update:

「特撮映像館」、お休み明けの31回目は、ゴジラVSシリーズ最終作。ゴジラ死す!「VSシリーズ」最終作の脚本は、再び大森一樹が担当。改めて54年『ゴジラ』を意識したストーリーとなっている。

タイトルにもある新怪獣「デストロイア」は、東京湾の海底地層に眠っていたカンブリア紀の生物が、54年『ゴジラ』のオキシジェンデストロイヤーの影響で怪獣化したという設定。


  • それはいいとして、複数のデストロイアが合体して巨大な個体になるというのはまったく説明もなく、複数の個体と闘ったり巨大な怪獣と闘ったりする映像やアイデアを使いたかったというだけの強引な感じがしてしまう。
    『VSキングギドラ』のときでもそうだったが、へんなところでいいかげんな展開があるのが大森シナリオの特徴なのかもしれない。

    河内桃子が54年と同じ役で出演。その姪を石野陽子が演じている。

    オキシジェンデストロイヤーもしくはそれに近いものが新たに開発されてしまうのではないかという懸念を抱く河内、ということで改めて科学の暴走に警鐘を発するところは54年『ゴジラ』を彷彿とさせる。

    また本作では、54年以来のゴジラの死が描かれる。

    赤く発光するゴジラが香港に出現。前作でゴジラジュニアが棲み、ゴジラも現れたバース島の地下に眠るウランの異常な核融合によって、ゴジラの体内の核反応が刺激され、ゴジラ自体が核爆発の危機に瀕していると推測される。冷凍レーザーや冷凍ミサイルなどを使って一時的にそれを抑えることができるが、今度はゴジラがメルトダウンを起こす可能性が指摘される。

    核兵器の恐怖を体現したゴジラは、本作で原発など核を用いたときの危険性にも言及するという形だ。またオキシジェンデストロイヤーなど、科学の暴走が新しい超兵器につながる恐れにも触れている。

    核によって生まれたゴジラは核によって滅んでいく…核のエネルギーは人類にはコントロールできない怪物ということになるだろうか。

    監督/大河原孝夫、特技監督/川北紘一
    キャスト/石野陽子、辰巳琢郎、林 泰文、小高恵美、大沢さやか、河内桃子、中尾 彬、佐原健二、ほか。
    1995年/日本/103分

    (文:猫目ユウ)

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    フリーライター。ライター集団「涼風家[SUZUKAZE-YA]」の中心メンバー。
    『ニューハーフという生き方』『AV女優の裏(共著)』などの単行本あり。
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    本コラム「うちの本棚」は作者・テーマ別にして「ブクログのパブー」から電子書籍として刊行しています。
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