「特撮映像館」、今回取り上げるのは雨宮慶太監督の代表作のひとつ『ゼイラム2』です。前作よりもスケールアップした作品世界をご堪能ください。
前作『ゼイラム』の直接的な続編でキャストもほぼ同じ。前作では冒頭から生体兵器である「ゼイラム」が暴走していたが、今回は支援ロボットに組み込まれた形で登場し、いったんは昨日を止められた支援ロボットが血を浴びたことでゼイラムが目覚め暴走してしまうという展開となっている。
前作同様に戦いの舞台は「ゾーン」と呼ばれる疑似空間内だが、今回はゼイラムによってそれが作られ、イリアや鉄平はその空間に閉じ込められてしまう。
内容的にはよくも悪くも続編という感じで、前作を見ていなくても十分楽しめるが見ているとよりわかりやすいという感じではある。ただ、イリアを演じた森山祐子をはじめ、キャストの演技が前作よりもこなれている感じがして、本作の方が見ていて安心できる気がした。
またアクションをはじめ爆発シーンなども前作よりも多く、ハラハラドキドキの展開と迫力のある画面に仕上がっている印象だった。
ゼイラムは当初こそ前作に登場したようなフォルムで現れるが、特徴である笠を取るとキツネ顔のロボットとなる。また前作では笠自体が本体であったが、本作ではゼイラムの能面のような顔は胸に付いていた。
また本作は1995年、第26回星雲賞え映画演劇部門賞を受賞している。
監督/雨宮慶太 特技監督/
キャスト/森山祐子、蛍雪次朗、井田州彦、サブ、ほか。
1994年/100分/日本
(文:猫目ユウ)