皆様こんにちは。ミリタリーにおける『食』、特にレーションについてご紹介していくDachoの『ミリヲタ的グルメ』。

今回は、ドイツ軍のグループ・レーションです。同じドイツ軍の個人用レーションは以前にご紹介しましたが、今回は部隊用のレーションです。


【関連:第15食 ドイツ軍コンバットレーション】

 

●ドイツ軍グループ・レーション

パッケージ表.

レーションと言えば、一般的には個人用が多いのですが、国によっては複数人向けのレーションも用意されています。今回ご紹介するドイツ軍でも個人用とグループ用が併用されています。

ドイツ軍のグループ・レーションは、朝食、昼食、夕食、飲料の4種類のパッケージがあり、各食事にはそれぞれ12のメニューが用意されています。この写真は、夕食のメニュー4です。

パッケージ横.

これ1箱で20人分あり、重量8kgオーバーのヘビー級レーションです。
この20人分という数字ですが、他国の状況を見てみるとメジャーな所では、アメリカは50人分、イスラエルは4人分など、それぞれで考え方が違うようです。

パッケージを開封すると、さすがにたくさんの物が出てきました。

内容物

・キャセロール(牛肉とマッシュルームのパスタ) 800g × 2袋
・パスタと野菜のスープ 400g × 1袋
・ビールソーセージ 10個
・牛肉のハムソーセージ(植物油使用) 10個
・リヨンの牛肉ソーセージ、粗挽き(植物油使用) 10個
・粗挽きソーセージ 10個
・ライ麦パン(スライス) 170g 6枚入り × 10個

キャセロールとスープは、乾燥状態のインスタントで、簡単な調理が必要です。
カップ入りのソーセージ4種類が各10個ですので、各人が好みの2個という割り当てみたいです。(植物油使用)というのは、健康的だというアピールでしょうか?ソーセージの充実ぶりは、やはりドイツ軍ですね(笑)
逆にライ麦パンは、2人で1缶を分けるということのようです。
ソーセージの内の2個とライ麦パンは、『第15食 ドイツ軍コンバットレーション』でご紹介したものと全く同じものでした。

●調理と試食
キャセロールとスープの調理方法を翻訳してみると、どちらも鍋のお湯に入れてかき混ぜながらしばらく煮込むというものでした。単純な作業なので、誰にでも出来そうですね。

盛り付け

1人分を盛り付けてみましたが、ソーセージだけは4種類あるので2人分になっています。
『第15食』にも書きましたが、私はこのライ麦パンが苦手です。ちょっと酸味のある小鳥の餌を固めたような食べ物です(笑)

4種類のソーセージは、どれも見た目が同じようですが、実際に食べてみると少しずつ個性があります。
写真の一番右が『リヨンの牛肉ソーセージ、粗挽き』で、これが一番好みでした。意外とあっさりしていて美味しいです。植物油効果でしょうか。
右から2番目が『牛肉のハムソーセージ』で、これも美味しいです。真ん中辺りに緑色のものが見えていますが、これはピスタチオで、中にもポロポロと入っていました。さすがにピスタチオの味は分かりませんでした。
右から3番目は『ビールソーセージ』です。塩味が効いていました。
一番左は『粗挽きソーセージ』ですが、とても柔らかく、ソーセージというよりもパテという感じでした。これも塩味が強めでした。

スープ

『パスタと野菜のスープ』は、あっさり味ですが美味しいです。具は、そうめんの様に細いパスタと何かの野菜の細切れです。苦手なライ麦パンをスープで流し込みました(笑)

パスタ

『キャセロール(牛肉とマッシュルームのパスタ)』は、トロっとしたスープ状の煮込み料理です。パスタは、マカロニのような形です。牛肉とマッシュルームは、インスタントだとは思えないほどの食感でした。これもあっさりした味で美味しくいただけました。ドイツ人は、あまりコッテリした味付けは好まないのでしょうか?

さて、このグループ・レーションは、前述したように簡単な調理が必要で、戦闘中のような状況下では使用できないと思います。ちょっと落ち着いた状況で、最前線でも暖かい食事を提供するのに適しているように思います。
また、個人用レーションに比べると、低コストではないかと思いますので、その点もメリットでしょう。

そして、残った19人分のレーションを見るのは、実に憂鬱な気分です(笑)

【注意してください!!】
ドイツ軍レーションを初めとする各国のレーションは、我々民間人が手に入れて食べることを前提としていません。
これらを販売する業者なども、あくまでコレクション品として取り扱っています。
食品としての安全性は、各国政府、製造業者、販売者の誰も保証してくれませんので、万が一食べる場合は、すべて自己責任になります。

(文・写真:Dacho)