2023年6月2日に発生した豪雨では、全国で多くの被害が発生しました。筆者が住む静岡県浜松市でも、土砂災害などの被害が発生。SNS上には当日、床下浸水や冠水した地域の写真が多数投稿されました。

 災害はいつ・どこで発生するかはわかりません。そこで大切になってくるのが備えですが、備えにも「物」と「知識」の2通りがあります。物は文字通り「防災グッズ」など備えておくべき物。知識は「いざという時に役立つ情報(知識)」です。

 災害がおきると避難所暮らしを余儀なくされる場合もあります。今回紹介するのは警視庁が公式Twitterに投稿した「避難所で弁当を運ぶ方法」。満足に物がなくとも、いざという時比較的すぐに使えるライフハックです。

浜松市の大雨で川幅が広がる様子

 警視庁が5月29日に公式Twitterで紹介した内容は次の通り。

「災害は突然起こります。私たちは交代で食事をしますが、今日は私が弁当の買い出し当番。あ!エコバッグを忘れた 持っていたのは細長の紙袋。弁当が傾いてしまう…。そこでひらめいたのが、避難所で家族分の弁当を運ぶ方法。紙袋を折って底の大きさを変えると容器を平らにして運ぶことができます」

 弁当箱といえば平たく大きいため、特に幕の内サイズだと通常の袋でも安定して持ち運びにくいケースがあり、そんな時にも役立ちそうです。なにより紙袋があればできるというのもいいですね。ということで早速この方法を使って実際に持ち運べるのかやってみました。

■ 紙袋で弁当をたくさん運ぶ方法をやってみた

 ではまず一般的なサイズの「弁当箱」と「紙袋」を用意します。

お弁当箱と紙袋

 紙袋は明らかに用意した弁当箱は入らないサイズです。

紙袋が細すぎて弁当が入らない

 がんばればギリはいるかもしれないですが、無理して入れることになるためこのまま運ぶのは難しそう。運ぶうちに弁当が傾いて横倒しになる未来しか見えません……。

紙袋が細すぎて弁当が入らない、上に載せた様子

 次に警視庁のやり方で、マチ(奥行き)を広げていきます。

紙袋が細すぎて弁当が入らないので、マチを広げる

 マチは弁当箱の幅にあわせて広げていきます。広げたら底の部分も両サイド折っていきます。

紙袋が細すぎて弁当が入らないので、マチを広げ、折り目を入れる

 底を折ったらガムテープなどで固定すると、より強度が増します。ちなみにガムテープは中の芯を抜く※と、防災バッグの中でもかさばりません。紙袋と一緒に、一つ備えておくといいですね。

※ガムテープの芯の抜き方=ガムテープの側面を押して芯を潰す。潰れたら一度ひろげて芯とテープの隙間に指をいれて抜く。わりと簡単に抜けます。

紙袋が細すぎて弁当が入らないので、マチを広げ、テープで固定

 すると、先ほどまで入らなかった弁当がスッポリ入ります。マチを広げた分、弁当箱が入りやすくなり、逆に紙袋の高さは減っております。

紙袋が細すぎて弁当が入らないので、マチを広げるとすっぽり入る

 ためしに5箱ほど積んでみましたが、高さ的にはなんとか入りました。写真では伝わらないのかもしれませんが、尋常ではない「安定感」です。

紙袋が細すぎて弁当が入らないので、マチを広げ、上まで乗せる

 ただしテストでは空の弁当箱を使用したため、中身のある弁当箱を重ね入れする場合には、やはり強度を考え折った部分を「ガムテープ」などでしっかり固定するほうが安心です。

 とはいえこれならば、抜群の安定性で弁当が倒れる心配はなさそうです。また、弁当を手に持って運んだりすることによって、落下させる心配もなくなります。

紙袋が細すぎて弁当が入らないので、マチを広げ比べてみる

 今後梅雨や台風シーズンとなることを踏まえると、災害が発生する確率は高まります。また、地震等の被害を受ける可能性もあります。そんな時に。このような小技を知っておくことで、普段なら苦労の連続である避難所暮らしを「やや快適に」で過ごすことができるのではないでしょうか。

<参考>
警視庁警備部災害対策課@MPD_bousai

(たまちゃん)