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【うちの本棚】198回 ハウス HOUSE/三浦みつる

ハウス「うちの本棚」、今回ご紹介するのは、大林宣彦監督の初劇場映画作品『ハウス HOUSE』のコミカライズ作品です。
『The・かぼちゃワイン』で知られる三浦みつるが25ページでまとめ上げた見事な作品といえるでしょう。

【関連:197回 怪奇大作戦/影丸穣也、中条けんたろう】

ハウス


  • 「The・かぼちゃワイン」で知られる、三浦みつるによる劇場映画のコミカライズ作品。
     映画版は大林信彦のデビュー作にあたる。また原案の大林千茱萸は監督の娘で、当時12歳の中学生だったということである。

     内容は、人を食う屋敷の餌食になる少女たちというホラーもので、それまでの日本のホラー映画とは一線を画すスプラッター作品というイメージの強いものだったと思う(実際にはそれほど流血シーンはないようだ)。
     三浦は手塚治虫のアシスタントを経験しているためか、その画風は手塚調で温かみのあるもの。後半にスプラッターシーンが集中しているが、嫌悪感を抱かせるものではなく、すっきり(?)まとめられている。
     88分の劇場映画を25ページで描くというのはけっこう削らなければならない部分も多く、本作でも主な登場人物である7人の少女の運命を描いているが、ひとりひとり姿を消してもいくので、早々に登場しなくなる少女もいたりする。
     本作の存在についてはあまり知られていないのか、ウィキペディアの「ハウス(映画)」「三浦みつる」両項目に本作の記載はなかった。
     映画作品のコミカライズとして、よくまとめられている作品なので、初出以来埋もれているのだとしたら大変残念なことである。

    初出/講談社「月刊少年マガジン」昭和52年6月号

    (文:猫目ユウ / http://suzukaze-ya.jimdo.com/

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    フリーライター。ライター集団「涼風家[SUZUKAZE-YA]」の中心メンバー。
    『ニューハーフという生き方』『AV女優の裏(共著)』などの単行本あり。
    女性向けのセックス情報誌やレディースコミックを中心に「GON!」等のサブカルチャー誌にも執筆。ヲタクな記事は「comic GON!」に掲載していたほか、ブログでも漫画や映画に関する記事を掲載中。
    本コラム「うちの本棚」は作者・テーマ別にして「ブクログのパブー」から電子書籍として刊行しています。
    また最近は小説の執筆に力を入れています。
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