2018年3月12日に就役した海上自衛隊最新の潜水艦「せいりゅう」。現在作戦能力取得のため、慣熟訓練を行っていますが、その訓練にアメリカ海軍の潜水艦隊司令官が同乗し、訓練の様子を視察しています。
せいりゅう(SS-509)は三菱重工神戸造船所で建造された、そうりゅう型潜水艦の9番艦。艦名は京都・醍醐寺の「清瀧権現」に由来します。清瀧権現は八大龍王のうち、大海龍王の娑伽羅(サーガラ)の子とされているので、海を活動の場とする潜水艦にふさわしい名前かもしれません。海上自衛隊第2潜水隊群の第6潜水隊に配属されており、神奈川県横須賀を母港としています。
2018年3月12日付で就役し、艦長を務める平間武彦2佐のもと、乗組員たちは現在慣熟訓練のため様々なところを航海しています(潜水艦の行動は最重要機密のため、特に秘匿されています)。この慣熟訓練の一部に、横須賀に駐留するアメリカ海軍の潜水艦部隊、第7潜水艦部隊(CSG-7)の司令官ジェームズ・E・ピッツ少将が同乗し、訓練の様子を視察しました。
10月19日、横須賀基地でピッツ少将は潜水艦隊司令の高島辰彦海将、せいりゅう艦長の平間2佐と挨拶。高島海将とは、10月4日に三菱重工神戸造船所で行われたそうりゅう型潜水艦11番艦、おうりゅう(SS-511)の進水式以来の再会となります。
そして舷門代わりのタラップで、せいりゅう乗組員の敬礼を受けながらせいりゅうに乗り移ります。せいりゅう側では幹部がピッツ少将を出迎えます。
ピッツ少将は平間艦長に促されて、せいりゅう艦内へ。この後艦内で設備の説明などが行われています。
「我々は海上自衛隊潜水艦隊と緊密な連携を取っており、最新鋭の潜水艦に同乗してその訓練を視察することは非常に重要な意味を持っています。先日の潜水艦おうりゅうの進水式にも同席し、その興奮を分かち合えたりと、海上自衛隊と我が潜水艦部隊との友好関係が日々強まっていると感じます」とピッツ少将は語っています。
せいりゅうの平間艦長は「ピッツ少将をせいりゅうにお迎えできて非常に光栄です」と語り「同乗視察期間中、私たちの能力をお見せし、日米間の相互理解・運用能力向上に寄与できることを楽しみにしています」という談話を残しています。
なお、潜水艦せいりゅうがこの10月19日のうちに出航したかどうかについては、防衛秘密のため明らかにされていません。現在せいりゅうはピッツ少将同乗のもと、慣熟訓練を行っています。
Image:MCS(PO2) Ryan Litzenberger/U.S.Navy Submarine Group Seven
(咲村珠樹)