おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

フェイスブックの「関西弁」を生粋の関西人が徹底チェック 「シェア=わけわけ」ってどういうことなの……

update:

 「Facebookってね、『関西弁バージョン』があるの知ってた?」

 ある日、編集部とのメンバーとの何気ない会話の中でふとあがったそんな話題。ちなみに筆者は生粋の関西人。ささやかながら、個人のFacebookアカウントも保有しております。

 ただ、元々SNSに関しては、近年まで無知だったこともあってか、そういう小ネタには無頓着。「それはないやろ(笑)」と、話半分で聞いていたんですが、次に送られた画像に目をパチクリ。

 「ホンマに関西弁やんけ!」

  • ある日、筆者が編集部の人間に見せられた場面。そこにあったのは関西弁テイストなFacebookの世界。

     そこには、Facebook画面でよく見る投稿に対する反応に、「いいね・コメント・シェア」に関する選択画面。それが「ええやん・つっこむ・わけわけ」に変換されているんです。てか、「シェア=わけわけ」ってどういうことなの……

     とにかく、話が“ネタ”でないことを認識した筆者。

     「これは関西人が実際にツッコミいれながら検証せなあかんやつや。要チェックやで!」

     というわけで、自分のアカウントで変換しながら詳細を確認することにしたのです。

     ※註:本稿は記事構成の都合上、これより先は多分に関西弁比率が高くなる記事となります。堪忍してや!

    ■ 設定→Facebookの言語で変更可能

     早速ログインして、設定ページに入りました。どうやらここの言語部分から変更ができるようです。当然ですが、世界の様々な言語に変換可能ですね。さて、日本語はっと……

    Facebookの設定場面に本当に存在するんです。

     ホンマに日本語(関西)ってあるやんけ!せやかて何で関西……?まあ今そんなこと考えてもどないしようもないしな。ちゃちゃっと変えよか。しゃあなしやで?ポチっと。

     さあてどんな感じやろな。といっても、いきなりは変わらな……

    「変更は保存されたで」?んなこと分かっとるわ!ハッ!

     ん?「変更が保存されたで」やて?んなこと、言われんでも分かっとるわ!!ハッ、ついツッコミを……(汗)

     さらに画面全体を覗いてみると、下部に記載されているいわゆるCTA(コール・トゥ・アクション)部分の記述が、ひっそりと「広告作らへん?」「ページ作ろか?」「作らはった人」になっていますね。前2つって意味大差ないんちゃうか?それに「作らはった」って、今日日の関西人でもそうそう使わへんで?ハッ、ついツッコミを……(汗)

    CTAにあたる部分にもそれっぽい関西弁がズラリ。

     ホームの方に戻ってみましょう。おっ、なんやごっつい男前の兄ちゃんが写っとるで!(申し訳ございません。今回個人アカウントで検証しているので写真は私です。ちなみに背景は竹田城跡です。お目汚し失礼いたしました)

     ん?何々「あんさんのことなんか書いときや」やて!?ほなら、この記事で思う存分書かせてもらうわ!

    そしてホームへ……

     Facebookからのお墨付きをいただいたので、ホーム画面をくまなくチェックする筆者。するとそこには、年末年始の特売かな?と思うくらいの関西弁のバーゲンセール。

     まずは、「友達→ツレ」という先制パンチをかましてから、自己紹介部分の経歴欄にて、現職部分(おたくま経済新聞ライター)では語尾に「やってんねん」、出身校は「通っててん」、出身地は「出やねん」、最後に開設日については、「2013年7月に参加したで」と振り当てられています。さらに投稿の空欄部は、「なにやってるん?」とどこまでも関西弁テイストな表現。

    自己紹介欄の語尾は全て関西テイストに。

     ただねボクね、ひとつだけ言いたいんは、関西人もちゃんと敬語は使用しますいうこと。「やってんねん」に関しても、「やっとりますねん」もしくは「儲けとりますねん」あたりがええんちゃいまっか?もうちょい関西人のこと深掘りしていた方がええでFacebookはん。知らんけど。

     「ツレ」についても、確かに関西では「友達」を指す言葉で、変換すると「連れ」でまあ間違ってはおまへん。

    熱い「ツレ」表記。

     せやけど、これを使いよる人いうたら男性、それも40代以降の中年が多い印象がありますわ。「ワシのツレな、○○やねんで!おっかしいやろ?HA・HA・HA!」的に使用するのがスタンダードですわな。(HA・HA・HA!は嘘です)

     ただ、そもそも「ツレ」は、若い世代では使用頻度が減ってきている側面もあります。”外の人間”が考える「ステレオタイプな関西人が使う関西弁」的な存在になりつつありますね。多分、「っぽい関西弁」やおもたから、使い倒したかったんやろなぁ。でもこれね、内緒やけど、ほんまもんの人らに向かってつこうたら、結構恥ずかしい思いをするやつやで。気ぃつけときや。知らんけど。

     さて他にも、さり気なく差し込むスタイルで、ちょいちょい関西弁が散見されるFacebookの「日本語(関西弁)モード」。終始生暖かい目で見ておりましたが、ここで特に気になった3つをご紹介しましょう。

    ■ 何でもかんでも「つっこむ」やないで(ニヤニヤ)

    「つっこむ」「わけわけ」と謎の関西弁が羅列。

     コメント関連では特に目にした「つっこむ」というワード。自他問わず、投稿のコメントにはそう促されていましたが、そもそも「ツッコミ」というのは、漫才のように「ボケ」というカウンターの存在があってのもの。何でもかんでも、とりあえずツッコミをするというのは、関西的にいうと「アホの子」がすること。自分に対してだと「セルフツッコミ」とも言いかえれますが、他者の投稿ですと、「茶々を入れる」あたりがいいかもしれませんね。

     せやせや、関西では「ちゃちゃ入れマンデー」という『関西あるある』をテーマにしたバラエティ番組が放映されているんですが、これおもろいからおススメです。って、あれカンロ(関西ローカル)やったわテヘペロ。

    ■ 「わけわけ」の使いどころがわけわからんで(ニヤニヤ)

     同じくコメント項目で目についたのは、「シェア」を「わけわけ」にするという変換。これもまた、最近とんと聞かなくなった単語。よく知っているなと感心するレベルです。

     使い方としては、「みんなでわけわけして食べるんやで~」というような言い回しで、おやつの時間などで大人(親)が子供に向けて発します。

     確かに「シェア」には、「分配」という意味合いもあります。ただFacebookでいうシェアは、「拡散」「共有」といった意味。実質「同音異義語」状態なので、ここで「わけわけ」を使うのは微妙にズレています。今回の場合ですと、「まわす」あたりがまだしっくりくると思います。

     余談ですが、関西人というのは、知ったかぶりで的外れな言葉をチョイスすることや、発音を間違えることは忌み嫌われます。例えば私の出身地は兵庫県姫路市ですが、「姫路」の発音時に「ひ」の方を強めにしたアクセントで発音すると(ひ↑めじ)、最悪の場合除け者にされる可能性もあるほどです。え?新幹線のアナウンスはどないやねんって?あれはしゃあなしや、「特別大サービス」っちゅうやつやがな。

     ともかく、関西弁ってのは、正味無理してまで使う言葉やないねんでニッコリ。

    ■ 「ほかす」ってそういうこととちゃうで(ニヤニヤ)

     最後はこれでいきましょう。こちらは友達申請や知り合い表示の際に、「削除」の代わりに出て来ました。

    知る人ぞ知る関西弁「ほかす」。

     この単語は初耳という方も多いのではないしょうか。ちなみに私は、初めて東京で仕事をしたときに、何気なくこの言葉を発したら、怪訝な顔をされたという思い出深いエピソードがあります。(隙あらば自分語り)

     そんな「ほかす」ですが、ずばりその意味は「捨てる」。漢字で書くと「放(ほか)す」で、廃棄という意味合いで使われます。余談ですが、筆者がかつて仕事で関わった肉の「ホルモン」も、語源のひとつが「放るもん」。ほかすと同様に、「廃棄するような食べ物」という意味合いだった過去があります。今じゃ信じられない話ですねホンマ。

     というわけで、今回のように削除といった「消す」という意味合いとしてはズレています。これですと、「いらんわ」の方がしっくりきます。今いくよ・くるよ師匠みたく、「ええわ・いらんわ」って漫才コンビみたく言いやすいですしね。

     以上、途中色々とツッコミを入れながら、生粋の関西人の筆者が、「Facebookの関西弁機能」について徹底検証させていただきました。また色々調べてみると、どうやら2014年ごろに実装しているようなんですが、なぜだか分かりませんがPC限定の機能のようです。スマホアプリからは「日本語」のみの変換となっています。

     なんでやろなあ?スマホにも実装したら、色んな意味で「話題」になるやろうになあ……ニヤニヤ。

     そして最後にログアウト。これは「ほな、さいなら!」に翻訳されていました。てことで、今日はこれぐらいにしといたるわ。ほな、さいなら~。

    ほな、さいなら!

    (向山純平)

    あわせて読みたい関連記事
  • 「シュッとしてる」はどういうときに使う?関西人が教える広すぎる意味
    インターネット, おもしろ

    「シュッとしてる」はどういうときに使う?関西人が教える広すぎる意味

  • 通知に偽装しているがメッセージは必死「とりあえず一つ返信してください」
    インターネット, 社会・物議

    「通知バッジ偽装型」のサポート詐欺、最近「必死」に誘ってくることが判明

  • 「通知バッジ」に偽装した広告
    インターネット, 社会・物議

    「通知バッジ」に偽装、巧妙化するサポート詐欺の新手口とは?

  • 記者のもとに届いたフィシングメッセージ。「釣り番組のアンバサダーへ投票してほしい」と呼びかけるが、なぜか電話番号を要求する
    インターネット, 社会・物議

    これが本当の“フィッシング詐欺”?! 電話番号を要求する不審なDMに注意

  • 「かべちょろ」って知ってますか?
    ユニーク, 雑学

    「かべちょろ」って知ってますか? 九州民でも意見が分かれるアイツを指す言葉

  • 「あげぽよ」「さげぽよ」が鹿児島弁起源って本当?
    ライフ, 雑学

    「あげぽよ」「さげぽよ」が鹿児島弁起源って本当?調べてみたら意外な事実判明

  • 筆者に届いた「重要なお知らせ」
    インターネット, 社会・物議

    Facebookに届く商標権侵害のメッセージに注意 目的はログイン情報の詐取

  • 天皇陛下の映像使った詐欺広告が出現 ネットでは「ダメだろ」など指摘や怒りも
    インターネット, 社会・物議

    天皇陛下の映像使った詐欺広告が出現 ネットでは「ダメだろ」など指摘や怒りも

  • Facebookに広告として出てきた画面
    インターネット, 社会・物議

    話題の「偽ホリエモン投資広告」に釣られると何が起きる!?衝撃の展開に

  • Facebookの怪しい投資ビジネス広告に釣られると何が起きる?釣られてみた
    インターネット, びっくり・驚き

    【更新】Facebookの怪しい広告に釣られると何が起きる?釣られてみた結果→投…

  • おたくま編集部Editor

    記事一覧

    おたくま経済新聞・編集部による監修or執筆

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • 新商品「うまかっちゃん<濃厚新味 あごだしとんこつ>」
    商品・物販, 経済

    焼きあごの香ばしさと細カタ麺の共演 「うまかっちゃん<濃厚新味 あごだしとんこつ…

  • 北海道産のチーズを2種類使った秋冬限定フレーバー「かっぱえびせん 北海道Wチーズ味」
    商品・物販, 経済

    北海道産チーズのW使い!「かっぱえびせん 北海道Wチーズ味」がこの秋登場

  • クリスプ のりしおバター味
    商品・物販, 経済

    カルビー、「クリスプ のりしおバター味」発売 レアな“ホシ型クリスプ”も登場

  • 特別災害対策本部車(国土交通省)
    社会, 経済

    消防車も自衛隊車もNERVも! 防災車両がずらり「ぼうさいモーターショー2025…

  • ウィキペディアのページビュー
    インターネット, サービス・テクノロジー

    AI時代でウィキペディア苦境 人間の閲覧数8%減、財団が警鐘

  • ChatGPTが“全年齢対応AI”を卒業? アルトマン氏が語った「成人向けエロティカ解禁」方針
    インターネット, サービス・テクノロジー

    ChatGPTが“全年齢対応AI”を卒業? アルトマン氏が語った「成人向けエロテ…

  • トピックス

    1. ガシャポンの魅力&世界観を全身で体感!「ガシャポンに超夢中展2025」内覧会レポ

      ガシャポンの魅力&世界観を全身で体感!「ガシャポンに超夢中展2025」内覧会レポ

      10月31日から11月2日までの3日間、池袋・サンシャインシティにて「ガシャポンに超夢中展2025」…
    2. 缶コーヒーの「#マーク」に隠された意味 コカ・コーラ社に聞いた“色が変わる理由”

      缶コーヒーの「#マーク」に隠された意味 コカ・コーラ社に聞いた“色が変わる理由”

      徐々に寒さが増し、そろそろ温かい飲み物が恋しくなってくる季節。近ごろSNS上で、「ホットコーヒー缶に…
    3. イーロン・マスク氏、Xの不具合を報告 「フォローしている人の投稿が少ない」原因はバグだった

      イーロン・マスク氏、Xの不具合を報告 「フォローしている人の投稿が少ない」原因はバグだった

      SNS「X(旧Twitter)」のオーナーであるイーロン・マスク氏が、日本時間10月27日深夜、自身…

    編集部おすすめ

    1. 集英社、生成AIによる権利侵害へ厳正対応を表明 Sora2公開後の「類似映像大量発生」を受け

      集英社、生成AIによる権利侵害へ厳正対応を表明 Sora2公開後の「類似映像大量発生」を受け

      集英社は10月31日、生成AIを利用した権利侵害への対応について声明を発表しました。今秋、OpenAI社の生成AIサービス「Sora2」が公…
    2. 菊水産業「お菊社長」なりすましに接触 ウザ絡みして目的を探ってみた

      菊水産業「お菊社長」なりすましに接触 ウザ絡みして目的を探ってみた

      10月14日、国産つまようじ製造を手掛ける「菊水産業株式会社」の公式Xアカウントが、同社代表取締役・末延秋恵さんのなりすましアカウントが出現…
    3. 職員室を自由に物色! 体験型展示「あの職員室」が11月15日より開催

      職員室を自由に物色! 体験型展示「あの職員室」が11月15日より開催

      株式会社チョコレイト(CHOCOLATE Inc.)は、あの頃入りたくても入れなかった職員室を体験できる展示企画「あの職員室」を、11月15…
    4. カービィのエアライダー、桜井政博こだわりの「酔い対策」が話題 アクセシビリティ配慮に称賛の声

      カービィのエアライダー、桜井政博こだわりの「酔い対策」が話題 アクセシビリティ配慮に称賛の声

      2025年10月23日22時より配信されたNintendo公式番組「カービィのエアライダー Direct 2」にて、ゲームクリエイター・桜井…
    5. 「なぜ誹謗中傷は起きたのか」 にじさんじ運営が加害者心理を公表

      「なぜ誹謗中傷は起きたのか」 にじさんじ運営が加害者心理を公表

      ANYCOLOR株式会社は10月22日、所属ライバーである甲斐田晴さんをめぐる極めて悪質な誹謗中傷・荒らし行為への対応結果を、加害者側の意識…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト