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女子大生の約85%が生理やPMSの症状を「我慢」 ツムラが「隠れ我慢」について大学生向けに研修を実施

 ツムラが取り組む「#OneMoreChoice プロジェクト」の一環として、大学生が心身の不調を「隠れ我慢」※しない環境づくりを目指した「Carellege Action」が4月より開始。

 今回、この活動に青山学院大学が賛同したことを受け、2023年12月6日に同大学内にてツムラオリジナルの研修プログラム「大学生向け #OneMoreChoice 研修」が実施されました。

  •  「#OneMoreChoice プロジェクト」は、2021年3月に発足。「不調に、我慢に代わる選択肢を。」をステートメントに掲げ、誰もが不調を無理に我慢することなく、心地よく生きられる健やかな社会を目指したツムラの中長期にわたる活動です。

    画像提供:青山学院大学

     この一環として2023年4月にスタートした活動が「Carellege Action」(ケアレッジアクション)。Carellegeは「Care」と「College」を合わせた造語で、大学と連携して研修のほか、無料で専門家に心身の不調や悩み、健康について相談できる「ヘルスサポート」を実施しています。

    ■ 不調のトップ3は「疲れ・だるさ」、「イライラ感」、「不安感」

     青山学院大学内で実施された「大学生向け #OneMoreChoice 研修」には、同大の学生約20人が参加。最初に「#OneMoreChoice プロジェクト」の立ち上げのきっかけとなった、日本の女性の約8割が「隠れ我慢」をしているという調査結果が紹介されました。ちなみに「隠れ我慢」とは、心身の不調を我慢して、いつも通りに仕事や家事などをおこなうこととツムラが定義しています。

    日本の女性の約8割が「隠れ我慢」をしている

     「隠れ我慢」をしている女性が感じている不調のトップ3は「疲れ・だるさ」、「イライラ感」、「不安感」。さらに「PMS」や「生理痛・生理不順・生理前後の腹痛」など、女性ならではの不調も10位以内にランクインしています。

     我慢をしてしまう理由として約半数の人が「休むと仕事、家事などに支障がでる」と回答。他にも「周りに負担をかけたくない」や「周りに心配をかけたくない」などの意見も多くあり、周りに影響を与えないように我慢して乗り切ろうとしている実態が明らかに。

    周りに影響を与えないように我慢して乗り切ろうとしている実態が明らかに

     ただし、我慢した結果、体調を悪化させた経験があると答えた人が60%以上、後悔した経験をしたという人は50%以上もいました。また、周りの女性の不調は心配するものの、自分の不調は周りに伝えない女性が多いという結果も。

    ■ 自身の「隠れ我慢タイプ」などを診断

     続いて参加した大学生たちが、心理カウンセラー監修のオリジナルツール「隠れ我慢チェッカー」を使用して自身の「隠れ我慢タイプ」や「隠れ我慢レベル」を診断。10の質問と疲労度チェック(全10項目)に答えると、自分が無意識にしている隠れ我慢度(隠れ我慢レベル)と、自分がしがちな我慢の傾向(隠れ我慢タイプ)が分かります。この結果をもとに、ツムラのスタッフを中心にグループディスカッションがおこなわれました。

    「隠れ我慢チェッカー」

    自身の「隠れ我慢タイプ」や「隠れ我慢レベル」を診断

     「敏感さんタイプ」や「慣れっこさんタイプ」、「頑張りやさんタイプ」など、様々な結果に診断された学生たち。「気遣いさんタイプ」と診断された学生からは、実際にアルバイトの職場や部活などで周りに気を遣って我慢してしまうことがあるという意見が出るなど、それぞれの隠れ我慢に関するエピソードが飛び交っていました。

    様々な結果に診断された学生

    ツムラのスタッフを中心にグループディスカッション

     グループディスカッションが終わると、「隠れ我慢チェッカー」を監修した心理カウンセラーでMR(メンタルレスキュー)協会理事長の下園壮太さんからビデオメッセージが。

     下園さんによると我慢には2種類あり、成長につながる「効く我慢」と辛く苦しい「効かない我慢」があるのだとか。苦しい時間が長引くと「効く我慢」から「効かない我慢」になり、心身が疲弊して体調を崩したり、鬱状態に……。

    「隠れ我慢チェッカー」を監修した心理カウンセラーでMR(メンタルレスキュー)協会理事長の下園壮太さん

     普段は耐えられるストレスにも対処できなくなります。そうなったらしっかりと体と心を休めて睡眠を取り、疲労を回復。その後は、「隠れ我慢チェッカー」の結果をもとに自分にあった対処法を試してくださいとアドバイスをしていました。

    ■ ライフプランとカラダの変化

     続いては「自身のキャリアプランとカラダの変化を考える」と題し、年代ごとの健康課題を学びます。学生たちはまず配られた専用の紙に「この頃にはこんなことをやっていたい!」など、キャリアプランやライフプランを書き出してみることに。

    キャリアプランやライフプランを書き出してみる

     書き終わると、「かしわの葉レディースクリニック」の院長で婦人科医の岡村麻子さんがVTRで登場。ライフステージごとに起きやすい不調症状を教えてくれました。

    「かしわの葉レディースクリニック」の院長で婦人科医の岡村麻子さん

     岡村さんによると、成人して社会に出ると社会的ストレスによる症状があらわれたり、不眠や不安などの不調があらわれたりするそう。更年期に差し掛かると、更年期障害や歯周病、生活習慣病などにも注意が必要。さらに老年期には認知症の症状も。

     そして「女性には女性ならではのライフステージと不調がある」と岡村さん。中国医学の三大古典の1つである「黄帝内経」には、女性は7の倍数、男性は8の倍数の時に節目をむかえて体に変化がおとずれると紹介されているそう。

     女性は14歳ごろに月経がはじまり、28歳ごろに女性としての体がもっとも充実。35歳ごろになると顔がやつれはじめ、髪も抜けやすくなります。その後、49歳ごろに閉経。「肌や髪のケア、ストレスケアなど、各年齢にあった対策が大切」なのだとか。

    女性は7の倍数、男性は8の倍数の時に節目をむかえて体に変化がおとずれる

     男女問わず50代になると、イライラしたり目が疲れたりするほか、体力も低下。60代では動悸や息切れ、慢性疲労や不眠が起こりやすくなります。70代や80代になると胃腸が弱ったり風邪を引きやすくなったりするので、免疫力を下げない生活を送ることが大切。

     岡村さんは「特に節目の年は心身のケアに気を払うようにしましょう」と、研修に参加した学生たちに呼びかけていました。

     学生たちは岡村さんの言葉を受けて、先ほど書いたキャリアプランやライフプランに思いつく不調症状を記入。再びツムラのスタッフをまじえてグループディスカッションをおこないます。

    キャリアプランやライフプランに思いつく不調症状を記入

     学生たちは「仕事や結婚などが体の不調に影響するのでは……」、「自分の節目の時期と親の病気が重なるのが不安」、「不安が可視化したことによって、もっとしっかりしなければいけないと思った」など、感じたことや気づいたことなどを語り合っていました。

    ツムラのスタッフをまじえてグループディスカッション

    ■ 不調時の対処法とは

     その後、学生たちは生理痛やPMSなど不調時の対処法について学びました。この日に紹介された対策は大きく分けて3つ。「セルフケア」と「西洋医学」と「漢方医学」です。

    「セルフケア」と「西洋医学」と「漢方医学」

     PMSの場合、セルフケアは、「自分が月経の何日前から具合が悪いのか」や「どういった症状が出やすいのか」といった特徴を知ることが大事。湯船につかったり適度に運動したりするほか、カフェインや糖分などの摂取を制限したりすることで症状が緩和されるといわれています。

     西洋医学では排卵後の女性ホルモンの急激な変化が要因と考えられており、低用量ピルなどの薬が用いられています。漢方医学も自覚症状や体質に合わせて様々な処方が用意されているとのこと。

    ■ 自分なりの「#OneMoreChoice」

     ここで研修に参加した大学生が社会に出て就職した時のために、参考としてツムラの社内制度を紹介。ツムラには婦人科検診の費用負担や通院休暇など、いろいろなサポート制度があるほか、生理休暇を取得しやすいよう、社内名称を「Femaleケア」に変更したそうです。

    ツムラの社内制度を紹介

     研修の最後は「わたしの#OneMoreChoice」と題して、参加した学生に「自分に不調症状が起きた時に我慢の代わりにどんなことができそうか」「周りの人に不調症状が出た時にどんなことをしてあげられるか」など、自分なりの「#OneMoreChoice」を書いてもらうことに。

    自分なりの「#OneMoreChoice」

     すると学生たちは「理解ある人、他人の痛みを分かる人であれ」、「1回、自分に甘くなる」、「自分の休息日を用意する!!」など、思い思いの「#OneMoreChoice」を記していました。

    「理解ある人、他人の痛みを分かる人であれ」

    ※「隠れ我慢」は株式会社ツムラの登録商標です。

    取材協力:株式会社ツムラ

    (取材・撮影:佐藤圭亮)

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