おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

【うちの本棚】147回 ペイルココーン/板橋しゅうほう

【うちの本棚】147回 ペイルココーン/板橋しゅうほう2013年、本年もよろしくお願いいたします。今回の「うちの本棚」は、板橋しゅうほうの『ペイルココーン』をご紹介いたします。

板橋作品の原点として、SFコミックの忘れられない1作として、ぜひ読んでいただきたい作品です。


  • 【関連:146回 クレドーリア621年/文月今日子】
     
    ■ペイルココーン/板橋しゅうほう

    板橋しゅうほう最初期作品にして代表作である『ペイルココーン』は、みのり書房の「月刊OUT」に77年5月号から78年11月号にわたって連載された(本書奥付のデータによるが、『大江戸編』は増刊の「ランデブーコミック」に掲載された)。

    アメコミを意識した画風は初出時には異色で、正直あまり興味を持てなかったのだが、中盤、コメディー色が強くなってから次回が楽しみになっていた。そう、わりとハードなSF作品として出発したはずだった本作は途中一変してSFコメディと言っていいほどのオモシロ作品になってしまう。アニメや特撮ネタが随所に登場するのも楽しみだった。

    結果的に1年半の連載期間となったものの、単行本は全1冊という分量だったのは、途中休載期間があったり、初期には掲載ページ数が少なかったためだろう。また単行本化に際して加筆され、ひとつのストーリー作品としてまとまったのはよかった。

    まぎれもなく板橋の代表作のはずなのだが、本書刊行後はソフトカバー版が刊行されただけで最刊行の機会が少ないのは少々残念ではある。リアルタイムで読んでいないとわかりづらいアニメ・特撮ネタが多いのは否めないところだが、板橋作品の原点という意味でも復刊してほしい作品のひとつではある。

    書 名/ペイルココーン
    著者名/板橋しゅうほう
    出版元/東京三世社
    判 型/A5判ハードカバー
    定 価/980円
    シリーズ名/MY COMICS
    初版発行日/1980年11月10日
    収録作品/ペイルココーン

    ペイルココーン

    (文:猫目ユウ / http://suzukaze-ya.jimdo.com/

    あわせて読みたい関連記事
  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】157回 Hey! ギャモン/板橋しゅうほう

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】156回 セブンブリッジ/板橋しゅうほう

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】155回 凱羅/板橋しゅうほう

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】154回 SLICK STAR スリック・スター/板橋しゅうほう

  • 【うちの本棚】153回 妖術本舗/板橋しゅうほう
    コラム・レビュー

    【うちの本棚】153回 妖術本舗/板橋しゅうほう

  • 【うちの本棚】152回 アイ・シティ/板橋しゅうほう
    コラム・レビュー

    【うちの本棚】152回 アイ・シティ/板橋しゅうほう

  • 【うちの本棚】151回 GROUND MAKER/板橋しゅうほう
    コラム・レビュー

    【うちの本棚】151回 GROUND MAKER/板橋しゅうほう

  • 【うちの本棚】150回 シルベスター/板橋しゅうほう 
    コラム・レビュー

    【うちの本棚】150回 シルベスター/板橋しゅうほう 

  • 【うちの本棚】149回 DAVID ディビッド/板橋しゅうほう
    コラム・レビュー

    【うちの本棚】149回 DAVID ディビッド/板橋しゅうほう

  • 【うちの本棚】148回 エイリアンクラッシュ/板橋しゅうほう
    コラム・レビュー

    【うちの本棚】148回 エイリアンクラッシュ/板橋しゅうほう

  • 猫目 ユウWriter

    記事一覧

    フリーライター。ライター集団「涼風家[SUZUKAZE-YA]」の中心メンバー。
    『ニューハーフという生き方』『AV女優の裏(共著)』などの単行本あり。
    女性向けのセックス情報誌やレディースコミックを中心に「GON!」等のサブカルチャー誌にも執筆。ヲタクな記事は「comic GON!」に掲載していたほか、ブログでも漫画や映画に関する記事を掲載中。
    本コラム「うちの本棚」は作者・テーマ別にして「ブクログのパブー」から電子書籍として刊行しています。
    また最近は小説の執筆に力を入れています。
    仮想空間「Second Life」やってます^^

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • コラム・レビュー

    複数社から発売された『墓場鬼太郎(ゲゲゲの鬼太郎)』を振り返る

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】262回 こいきな奴ら/一条ゆかり

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】261回 ティー・タイム/一条ゆかり

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】260回 5(ファイブ)愛のルール/一条ゆかり

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】259回 デザイナー/一条ゆかり

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】258回 わらってクイーンベル/一条ゆかり

  • トピックス

    1. 偽ファッション広告

      偽ファッション広告がGoogle広告に大量出現 サポート詐欺被害に注意

      2025年9月上旬からGoogle広告に偽ファッションサイトが急増。数秒で「Windows Defe…
    2. 邪悪なAI搭載「絶対にバズるSNS」で理不尽な炎上を疑似体験→リアルすぎて怖くなった

      邪悪なAI搭載「絶対にバズるSNS」で理不尽な炎上を疑似体験→リアルすぎて怖くなった

      Webコンテンツ「絶対にバズるSNS」が9月15日公開。9月26日公開映画「俺ではない炎上」と連動し…
    3. 26年前のMMORPG「Dark Ages」、YouTuberの挑戦で限界集落から奇跡の再生

      26年前のMMORPG「Dark Ages」、YouTuberの挑戦で限界集落から奇跡の再生

      26年前にリリースされたMMORPG「Dark Ages」をご存じでしょうか。年月とともに人口は減少…

    編集部おすすめ

    1. 英国伝統のうなぎ料理は“水槽の味”?日本にはない「ゼリー寄せ」の衝撃

      英国伝統のうなぎ料理は“水槽の味”?日本にはない「ゼリー寄せ」の衝撃

      日本でうなぎといえば、甘いタレをつけて香ばしく焼き上げた「蒲焼き」が定番のスタイル。白焼きなどもあるにはありますが、うなぎといえばやっぱり蒲…
    2. たこばさんの「糸こんにゃく炒飯」

      えっ…これ糸こんにゃく!?目も舌も騙される“ヘルシー炒飯”を実際に作ってみた

      「糸こんにゃくで作った炒飯が本物そっくりに仕上がる」と聞いたら、信じられるでしょうか。大阪市のたこ焼き店「たこ焼たこば」の店主がSNSに投稿…
    3. 虎ノ門ヒルズの「どこか奇妙な職業体験」が話題 ゴミを拾いながら物語の世界へ没入

      虎ノ門ヒルズの「どこか奇妙な職業体験」が話題 ゴミを拾いながら物語の世界へ没入

      虎ノ門ヒルズで清掃員の仕事を疑似体験しながら、非日常な体験に巻き込まれていく……そんな不思議な没入型体験イベント「どこか奇妙な職業体験 虎ノ…
    4. あれー?どこかなー?伸びしろしかない3歳児の“全力”かくれんぼが手強すぎる!

      あれー?どこかなー?伸びしろしかない3歳児の“全力”かくれんぼが手強すぎる!

      子どもにとってかくれんぼは、ハラハラドキドキのスリリングな遊び。自分だけにしか分からないであろう隠れ場所を見つけて「ここなら大丈夫」「絶対見…
    5. プリキュア映画ぬりえコンテスト、第三者による不正応募判明 公式が謝罪と訂正

      プリキュア映画ぬりえコンテスト、第三者による不正応募判明 公式が謝罪と訂正

      アニメ映画「映画キミとアイドルプリキュア♪ お待たせ!キミに届けるキラッキライブ!」公式は9月12日、「キミプリ♪ぬりえコンテスト」において…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト