新年明けて4日目となり、多くの会社は「仕事始め」となっています。一部企業では8日までお休みで、9日月曜から……なんてところもあるようです。羨ましい。

 さて、そんな4日目となる本日は、正月明け?それとも正月中?
正月の期間については本来、1月中が「正月」とされ、現代においては1月7日の七草がゆまで、さらに地域によっては1月15日までとなっています。でも我ら社会人にとってみれば4日から仕事始めとなるために、3日までという認識の方が強いですけどね。

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正月飾り

 そんな正月中の現在、雑学までに正月にまつわることわざを紹介してみたいと思います。ことわざや故事は昔の人の生活の知恵から生まれた言葉で、短い文章で細かなニュアンスを適確に伝えるためにはうってつけのものです。また共通に知られていることから相手に自分の意図がより正しく伝わるという利点もあり、現代でも多く使われています。

 新年明けてまだ頭がボーっとしてるよ。という方は、つらつら暇つぶしに読んで、雑学トークのネタにでもお役立てください。

・一年の計は元旦にあり
1年の計画は元旦(1月1日の午前中まで)に立てるべきであるので、物事を始めるときは最初に計画をしっかり立てることが大切だということ。

・一富士二鷹三茄子
夢に見ると縁起が良いとされるもので、特に新年の初夢に見えると縁起がいいそうです。

・門松は冥途の旅の一里塚
正月をお祝いする門松も、一つ年を取るのだと思えばあの世への旅の一里塚(旅行者の目印として、大きな道路の側に1里毎に設置された塚)のようだという物の例え。

・ごまめの歯ぎしり
実力のない者がいらだったり悔しがること。
ごまめとは片口鰯の幼魚を干したもので、正月料理にも登場する田作りのこと。

・朔日ごとに餅は食えぬ
いつもいつもいいことがあるとは限らないという意味。
元旦に餅は食べれるけれど、正月以外の朔日(月初)が来るたびに食べられるわけではないことが語源。

・猿に絵馬
取り合わせ(相性)が良いものの例え。正月や祭りで、猿が馬を引くところが描かれた絵馬や神札が用いられたことも一因となり生まれた言葉。昔は猿は馬小屋の守護という考えがあり、馬小屋には「申」と書いた紙を貼りお守りにしていたそう。日光東照宮の見ざる・言わざる・聞かざるの三猿も神馬の神厩舎に彫刻されています。

・盆と正月が一緒に来たよう
忙しくてあたふたすることや、良いこと、嬉しいことが重なって訪れた場合に使う言葉。

・目の正月
物珍しいものや美しいものなどを見て楽しむことを指す。1年で最も楽しい正月のようだという意味。

・餅腹三日
餅の腹持ちがよいことを言い表した言葉。「餅腹七日」とも言いますが、大きさの割に高カロリーなのでついつい食べすぎてしまうことを戒めているそうです。

その他にも正月に関連する「餅」「門松」「書き初め」などが登場することわざや故事はたくさんありますが、聞いたことがあるものも初耳のものも改めて調べてみたらおもしろいかもしれませんね。

▼参考文献
・『ことわざ辞典』ISM Publishing Lab.
・『故事ことわざの辞典』現代言語研究会著 あすとろ出版
JLogos
故事ことわざ辞典
由来・語源辞典
kikkoman

(大路実歩子)