海上自衛隊は2020年7月21日、護衛艦てるづきが7月19日~23日のスケジュールで、アメリカ海軍の空母ロナルド・レーガン、オーストラリア海軍の強襲揚陸艦キャンベラらとの3か国共同訓練を南シナ海、フィリピン海において実施していることを明らかにしました。護衛艦てるづきにとっては、7月18日にフィリピン海軍の航空機と行ったものに続き、連日の共同訓練となります。
今回の訓練「TRILAT(Tri-Lateral=3か国)2020」に参加したのは、海上自衛隊の護衛艦てるづきのほか、アメリカ海軍からは空母ロナルド・レーガンとその空母打撃群(巡洋艦アンティータム、駆逐艦マスティン)。そしてオーストラリア軍統合任務群(ADF-JTG)から強襲揚陸艦キャンベラと駆逐艦ホバート、フリゲートのアランタとスチュアート、補給艦シリウスの9隻です。
7月19日、フィリピンから南シナ海を北上する過程でアメリカ、オーストラリアの艦隊と会合した護衛艦てるづきは、3か国が連携して戦闘する際に必要な戦術運動の一環として、様々な隊形での航行を実施。それぞれの艦艇が互いに息を合わせ、一体となっての行動を実施します。
訓練に参加したオーストラリア軍統合任務群司令官、マイケル・ハリス代将は「アメリカ、日本と肩を並べて任務にあたるのは貴重な機会です。洋上での安全と平和を維持するには、各国の海軍がシームレスに連携する必要があります。我々海軍相互における複合的なタスクは、オーストラリアとアメリカ、日本とのハイレベルな相互運用性と能力を実証してくれます」と訓練に際してコメントを発表しています。
2020年は岸政権下での新しい日米安保条約(60年安保)調印・発効から60年。日本とアメリカにおける防衛協力の歴史でも、大きな節目となる年でもあります。
護衛艦てるづきに座乗する第4護衛隊司令の坂野祐輔1佐は「アメリカ海軍、オーストラリア海軍との連携を強化することは、日本そして自由で開かれたインド太平洋地域にとって非常に重要なものと確信しています。この共同訓練での経験は戦術面、運用面での進歩を促すとともに、互いの友情を強めてくれることでしょう」との談話を発表しました。
日米豪3か国の共同訓練では、互いに協力しあって様々なシナリオで訓練を実施し、インド太平洋地域における問題への対処能力を向上させるとともに、各国部隊間の相互理解を深め、連携を強化することが目的。フィリピン海のフィリピン東方沖からグアム島周辺まで移動しながら、23日まで訓練が続けられる予定です。
<出典・引用>
海上自衛隊 プレスリリース
アメリカ海軍 ニュースリリース
Image:U.S.Navy
(咲村珠樹)