渋谷の街中を歩いていたら突然「何奴!」の大声。
驚き目を向けると、華麗な“火ばさみ”さばきでゴミを成敗する侍の姿が!まるで時代劇を見ているかのような、このようすが先日ネット上を賑わせていました。
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発端はTwitterに投稿された1つの動画。たまたま東京に来ていた方が撮影したもの。それが瞬く間に拡散され、8万RTを超えることに。「スタイリッシュゴミ拾い」「侍が渋谷でゴミ拾ってる!」などなど大反響が!
さらに話題は日本を飛び出し、海外のネットニュースでも紹介されました。
この動画にうつっていたのは、殺陣(チャンバラ)をメインとしたパフォーマンス集団『一世一代時代組』の東京支部『時代組 婆沙羅-BASARA-』の皆さん。
2008年に北海道札幌市で旗揚げし、彼らが言う「GOMI拾い」も旗揚げ同時に開始したそうです。
ステージでは「剣」を、街中ではそれを「火ばさみ」に持ち替え「GOMIを捨てるモラルの無い心を成敗」する。人呼んで「ゴミ拾い侍」。
ちなみに東京支部は2016年1月にできたばかりだそうですが、そんな彼らについて、一世一代時代組事務局の高橋さんに話を聞いてみました。
■派手にゴミ拾いをするのには理由があった
――まずはじめに、現在活動中の全メンバーの人数を教えてください。
代表の後藤一機を含め6人です。「チャンバラ(殺陣)」パフォーマンスを舞台やイベントで披露している集団の中から、選りすぐりのメンバーでGOMI拾い侍として活動しています。
――精鋭中の精鋭なのですね。活動の目的についてですが、間違えていたらすみません、「パフォーマンスにからめたボランティア」という理解でいいのでしょうか?
我々の活動はボランティアに特化しているということではなく、表現者として、社会問題に対して訴えをしています。我々の活動を知っていただくことで、ポイ捨てをする人が減ると信じています。ですので、世界の道端からGOMIがなくなるまでモラルの無い心を成敗し続けます。
――だからあんなに目立つ形で行っているのですね。突然「何奴!」と叫ぶのは人の注目をとても集めますが、見た人の反応はいかがですか。
最初は変な目で見られますが、GOMI拾いをしているとわかると拍手、声援を頂けます。また、外国人の方には非常に関心と好感を持っていただいております。GOMI拾いパフォーマンスに感動されて、足から崩れ落ちる方もいらっしゃいました(笑)
子供達からも反応はよく、「お侍さんがいるー!」とずっと後を着いてきてくれることも多々あります。
■目の前でわざとポイ捨てする不届き者も
――逆に苦労と感じることはありますか。
いきなり 「何奴!」と発声するのでびっくりされる方もおりますが、GOMI拾いをしているとわかると暖かい目で見てくれます。ただ、我々の目の前で、わざとポイ捨てをされる方もいますが、非常に残念だと感じています。その時は「落としましたよ。」お声掛けすることもあります。
――拾ったゴミはどう処理しているのですか。
各自で分別し、持ち帰りゴミ収集ルールに基づき処理をしていますが、今後、区役所や近隣の自治会、ゴミ処理業者の方々とその後の処理についてをご相談させていただこうと考えております。
■最後に今後の展望を聞いてみた
――支部は現在東京のみとのことですが、今後全国展開の予定はありますか。
はい。東京渋谷だけで終わらす気はありません。今後、全国地方や世界での展開も視野に入れています。メンバー、有志は募集しておりますが、誰でもよいと言うわけではございません。社会活動に献身し、自身の表現者としての成長を考え、「地域活性と創生」の意思がある方と一緒にやっていきたいですし、我々の意思に賛同して頂ける方と一緒に盛り上げていきたいです。
――活動日と場所は決まっていますか。
活動日は決まっており、近日の予定はSNS公式ページにて告知しております。通常はイベント出席などの別の予定が無い限り、下記の日程で実施しています。ただし雨天の場合は中止です。
・活動日:毎週日曜日
・時間:15時~17時
・場所:東京渋谷(渋谷センター街、公園通り、渋谷公会堂、渋谷スクランブル交差点周辺)
――最後に読者、および今後パフォーマンスに参加したい人へ向け、メッセージを!
GOMIを拾いつつも皆様に楽しんで頂けるよう精進するとともに、同じ意思を持った表現者の方々、世界に誇れる「侍」として一緒にやっていきましょう!
▼参考:
時代組婆沙羅 公式ページ(isseiichidai.com)
時代組婆沙羅 Facebookページ(jidaigumitokyo)
(文:宮崎美和子)