未確認生物(UMA)を捕獲するのはロマンがあって憧れます。ネッシー、ビッグフット、イエティとさまざまありますが、日本の代表的な未確認生物と言えばカッパ。ええ、カッパです。
日本各地にカッパ伝説が残されていますが、捕獲した人はまだいません。いつかは捕獲してみたい……!という人は多いでしょうが、実は勝手に捕獲しちゃいけないみたいなんです。
岩手県の遠野市観光協会では「カッパ捕獲許可証」なるものを販売しています。しかも捕まえた人は、賞金1000万円が貰えるというのですから夢しかありません。賞金に目がくらみ、さっそく許可証をゲットしました。
そもそも、なぜ遠野市観光協会がカッパ捕獲許可証を?と疑問に思う人もいるかもしれません。
観光協会のホームページにはその理由が詳しくかかれています。遠野市土淵町にある常堅寺の裏を流れる小川の淵は「カッパ淵」と呼ばれており、カッパが多く住んでいて人々を驚かし、いたずらをした言い伝えが残されているそうです。
澄んだ水がさらさらと流れるカッパ淵は、うっそうとした茂みに覆われ、今にもカッパが現れそうな雰囲気とのこと。淵の岸辺には、カッパ神を祀った小さな祠も。これは期待ができそうです。
■ オンラインショップ「遠野時間@ネット」で購入!
カッパ捕獲許可証の注文方法は簡単。遠野の厳選商品を販売しているオンラインショップ「遠野時間@ネット」で購入するだけ。
販売されているページには、許可期間は令和4年4月1日~令和5年3月31日までと記載されています。Oh……期間は4月スタートの1年間だったのですね。今の時期だと残り1か月ちょっと。新しく購入される方はこの点注意が必要かもしれません。
そして「カッパ捕獲許可証」の価格は税込220円とリーズナブル。毎年購入して更新しやすい価格ですね。
また、ホームページには「カッパを捕獲して、仲良く遠野市観光協会に来ると……賞金1000万円!!!」という文章もおどっています。実は遠野市観光協会では、カッパに懸賞金をかけており、1000万円はその賞金となっています。
お届け方法は「ヤマト運輸」「ネコポス」「普通郵便」「ゆうパック」の4種類、支払い方法は「商品代引き(ゆうパック)」「金融機関振込(先払い)」「クロネコwebコレクト」の3種類がありました。
記者は「普通郵便」の「金融機関振込(先払い)」を選択。送料で税込84円がプラスされ、合計304円でした。
■ カッパ捕獲許可証ゲット!
ワクワクしながら待っていると、数日後に遠野市観光協会から郵便が!ハサミで慎重に封を開けて中を確認。入っていたのは納品書とカッパ捕獲許可証!許可番号は010254号となっています。
許可証を持っている人が1万人以上いるということでしょうか。意外とライバルが多いなぁ……。
表面には人間と仲良くビールで乾杯し、バーベキューを楽しむカッパのイラストが描かれています。カッパの食べ物と言えばキュウリを思い浮かべていましたが、お肉も食べるようです。
■ カッパを捕まえるときのルール
裏面には「カッパ捕獲7ヶ条」が書かれています。
1.カッパは生捕りにし、傷をつけないで捕まえること。
2.頭の皿を傷つけず、皿の中の水をこぼさないで捕まえること。
3.捕獲場所は、カッパ淵に限ること。
4.捕まえるカッパは、真っ赤な顔と大きな口であること。
5.金具を使った道具でカッパを捕まえないこと。
6.餌は新鮮な野菜を使って捕まえること。
7.捕まえたときには、観光協会の承認を得ること。
当然ですが、この「カッパ捕獲許可証」は遠野市の「カッパ淵」にすむカッパのみが対象。
福岡県・田主丸に伝説が残る、中央アジアから移住してきた「カッパの九千坊一族」の頭目・九千坊(くせんぼう)や、関東平野を流れる利根川に伝説が残るカッパの大親分・禰々子(ねねこ)など様々いますが、どれもこの「カッパ捕獲許可証」の対象外。他の地域のカッパでは適用されないので注意が必要です。
しかも捕獲するカッパの特徴として、「真っ赤な顔と大きな口」であることが指定されています。カッパ淵のカッパの特徴に「真っ赤な顔」という話があるからです。よって、例え緑のカッパがカッパ淵にいたとしても捕獲許可対象にはなりません。
また、真っ赤な顔のカッパといえば、兵庫県・福崎町にもガジロウというカッパがいますが、あっちは辻川山公園の池が住処で職場は町役場なので、全くの別カッパです。似てはいますが、これも注意が必要。誤ってガジロウを捕獲したり、賞金に目がくらんで「カッパ淵」のカッパと偽り連れて行かないように。
他にも、捕獲時の道具や生け捕りにすることなど詳しくかかれています。そして何より大事なのが「捕まえたときには、観光協会の承認を得ること」。生け捕りにして転売したり、ペットで飼うなど論外です。ちゃんと申請するようにしましょう。
それにしても意外とルールが厳しいですね。とはいえ、捕獲ルールはいずれも「カッパファースト」。地域の方たちに大切に扱われているようすがうかがえます。
<参考・引用>
遠野市観光協会
遠野時間@ネット
田主丸町観光ナビ!
(佐藤圭亮)