おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

【特撮映像館】Act.34 ゴジラ×メガギラス G消滅作戦

update:

「特撮映像館」、「VSシリーズ」の三枝以来のヒロインが登場する『ゴジラ×メガギラス』。新世紀にふさわしい作品に仕上がっていた。

「VSシリーズ」で助監督をしていた手塚昌明が監督に昇格。「2000シリーズ」では3作を監督している。「VSシリーズ」の三枝美希の発展型ともいえる、初の女性主人公によるゴジラ作品でもあるが、作品中では星 由里子が演じる女性首相も登場する。


  • 54年『ゴジラ』の続編ということで作品冒頭では、54年作品を見事に再現した映像が披露され、それとともに日本の首都が東京から大阪に移されたという本作の設定が説明される。とはいえ、谷原演じる凄腕のアマチュアエンジニアがいるのは東京のアキバ、メガギラスの登場で水没するのは渋谷一帯と、首都となった大阪の影は薄い。

    タイトルにもある「G消滅作戦」はマイクロブラックホール砲によってゴジラを消滅させるというものだが、今回もまたそういった人類の対ゴジラ作戦とは別に新怪獣が登場する。前作ほどストーリーの流れを壊すような、新怪獣の登場自体を疑問に感じるような構成にはなっていないが、ゴジラ対怪獣という要素を強引に入れている感は否めない。シナリオは柏原、三村の共作で、ふたりとも「VSシリーズ」後半でシナリオを担当していた。どうしても「VSシリーズ」後半のバトルありきな設定思想が透けて見える。

    本作の救いはなんといってもゴジラを相手に奮闘する田中美里の演技だろう。そのほかにもこれまでのゴジラ作品の殻を破る要素はチラホラ見えてきているのだが、すべては手塚の次回作『ゴジラ×メカゴジラ』で結実する。

    監督/手塚昌明、特殊技術/鈴木健二
    出演/田中美里、谷原章介、伊武雅刀、星 由里子、ほか。
    2000年/日本/105分

    (文:猫目ユウ)

    あわせて読みたい関連記事
  • ゴジラ 大咆哮かるた
    アニメ/マンガ, 商品・グッズ

    鳴き声で怪獣を当てろ!難易度MAX「ゴジラ 大咆哮かるた」がツタヤ限定発売

  • ヘドラ卓上モップ
    アニメ/マンガ, 商品・グッズ

    ゴジラと戦った公害怪獣「へドラ」のお掃除グッズ襲来 卓上のホコリを吸収

  • 「ゴジラ対ヘドラ」公開50 周年記念フレーム切手セット
    アニメ/マンガ, 商品・グッズ

    「ゴジラ対ヘドラ」公開50周年記念グッズ 郵便局のネットショップ限定で販売

  • ゴジラと京都のコラボイベント「ゴジラVS京都」が初開催
    アニメ/マンガ, イベント・キャンペーン

    「ゴジラVS京都」 京を巡る回遊型イベント開催

  • アニメ/マンガ, ニュース・話題

    淡路島に全長約120mの実物大「ゴジラ」出現 体感型アトラクション「ゴジラ迎撃作…

  • コラム, 雑学

    【特撮映像館】Act.39 ゴジラ2000シリーズ考察

  • コラム, 雑学

    【特撮映像館】Act.38 ゴジラファイナルウォーズ

  • コラム, 雑学

    【特撮映像館】Act.37 ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS

  • コラム, 雑学

    【特撮映像館】Act.36 ゴジラ×メカゴジラ

  • コラム, 雑学

    【特撮映像館】Act.35 ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃

  • 猫目 ユウWriter

    記事一覧

    フリーライター。ライター集団「涼風家[SUZUKAZE-YA]」の中心メンバー。
    『ニューハーフという生き方』『AV女優の裏(共著)』などの単行本あり。
    女性向けのセックス情報誌やレディースコミックを中心に「GON!」等のサブカルチャー誌にも執筆。ヲタクな記事は「comic GON!」に掲載していたほか、ブログでも漫画や映画に関する記事を掲載中。
    本コラム「うちの本棚」は作者・テーマ別にして「ブクログのパブー」から電子書籍として刊行しています。
    また最近は小説の執筆に力を入れています。
    仮想空間「Second Life」やってます^^

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • コラム・レビュー

    複数社から発売された『墓場鬼太郎(ゲゲゲの鬼太郎)』を振り返る

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】262回 こいきな奴ら/一条ゆかり

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】261回 ティー・タイム/一条ゆかり

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】260回 5(ファイブ)愛のルール/一条ゆかり

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】259回 デザイナー/一条ゆかり

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】258回 わらってクイーンベル/一条ゆかり

  • トピックス

    1. 善意の通報が“誤報”に変わるAI時代 女川町のクマ騒動が示した危険性

      善意の通報が“誤報”に変わるAI時代 女川町のクマ騒動が示した危険性

      宮城県女川町が11月26日、公式Xで発信した「クマ出没情報」が、後に「生成AIによるフェイク画像」に…
    2. 派手なピンクに「マヂでアゲ」……道端に突如現れた「ギャルすぎる工事看板」が話題

      派手なピンクに「マヂでアゲ」……道端に突如現れた「ギャルすぎる工事看板」が話題

      「とても茨城県」というつぶやきとともに、Xに投稿された一枚の写真。そこには、一般的な工事現場のイメー…
    3. この涙は懐かしさ……なのか? 展示「あの職員室」で特大感情を揺さぶられたレポート

      この涙は懐かしさ……なのか? 展示「あの職員室」で特大感情を揺さぶられたレポート

      学生時代、入りたくても入れない「聖域」のような場所だった職員室。その風景を再現し、自由に探索できる展…

    編集部おすすめ

    1. ホロアースNPCに「事件に関係した実在人物想起」と指摘 運営が謝罪し削除対応

      ホロアースNPCに「事件に関係した実在人物想起」と指摘 運営が謝罪し削除対応

      バーチャルタレント事務所「ホロライブプロダクション」を展開するカバー株式会社は公式Xにて11月25日、同社のバーチャル空間プロジェクト「ホロ…
    2. エビの代わりに「パイの実」投入!ロッテ公式が送るエビチリアレンジに目を疑う

      エビの代わりに「パイの実」投入!ロッテ公式が送るエビチリアレンジに目を疑う

      ロッテは自社商品の各ブランドサイトで、アレンジレシピを公開しています。その中に「パイの実」をエビチリソースと卵で炒め合わせた「チリ玉パイの実…
    3. 100tハンマー

      伝説のコンビを追体験 40周年「シティーハンター大原画展」上野で12月28日まで開催

      「シティーハンター」連載開始40周年を記念した原画展「シティーハンター大原画展~FOREVER, CITY HUNTER!!~」が、11月2…
    4. 宝塚・宙組特別メニューから“酢”消える 「酢が退団?」とSNSざわつく

      宝塚・宙組特別メニューから“酢”消える 「酢が退団?」とSNSざわつく

      11月22日午前、X(旧Twitter)のトレンドに「宙組公演特別メニュー」が一時浮上し、ファンの間で大きな話題となりました。きっかけとなっ…
    5. ミラノで開催「IQOS Curious X Sensorium Worlds」現地取材 五感に響いたIQOSの“世界観”

      ミラノで開催IQOS X SELETTI「Sensorium Worlds」現地取材 五感に響いたIQOSの“世界観”

      フィリップ モリスが、イタリアでイベント「Sensorium Worlds」を開催。今回は、この壮大なイベントの模様とともに「IQOS To…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト