おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

【ゆるりと鉄】第十回 記念きっぷのいまむかし

update:

記念きっぷのいまむかし皆様、お久しぶりです。ひろっぴの「ゆるりと鉄で参ろうか」のひろっぴでございます。
今回は第九回のテーマであった「記念きっぷ」の移り変わりを取り上げたいと思います。


  • と言ってもあまり古いものはわかりませんので、あくまでも「自分が購入するようになってから」のことになります。
    自分が物心ついて「記念きっぷ」を目にするようになったころの多くはきっぷ部分を切り離して利用する「半券切り離し」タイプが主流で、きっぷをメインとしたものは少数でした。

    「半券切り離し」タイプは、手元に残る部分には記念きっぷのテーマである写真や解説などを載せたりするなど、それが一つの資料となっていたりしたほか、絵はがきとして使えるようになっていたりするなど実用性を兼ねたものも存在していました。
    なので、きっぷ部分がないとなんだったかわからなくなるものもあったりします。
    その後しばらくは「半券切り離し」タイプが主流となっていきますが、バブル景気に伴っておまけをつけたものや、一部では紙以外のものを使って作成したりしていたこともありました。

    そして国鉄からJRへと移行し、バブル景気が崩壊するとともに様変わりし始めます。

    このころから首都圏を中心に駅の改札の省力化が始まり、自動改札機の導入が進むとともにきっぷも磁気化が進められます。
    これに前後して国鉄末期からは磁気プリペイドカード「オレンジカード」が導入されます。
    その後さらに、駅の券売機で切符を買わずとも自動改札機を通ることが出来るプリペイドカードの導入が始まり、JR東日本では「IOカード」、首都圏の私鉄などでは「パスネット」、関西大手私鉄などでは「スルッとKANSAI」といった共通規格プリペイドカードが使えるようになります。

    TOICA 磁気カード

    このような磁気プリペイドカードが普及することにより、記念きっぷも自動改札に対応していることが求められることになり、徐々に「半券切り離し」タイプは消滅し、カードの図柄を記念図柄とする「記念図柄カード」タイプが主流となっていきます。
    そしてこの「記念図柄カード」タイプからは、カードだけでなく台紙を凝ったものにしていくという場合と、カード図柄を凝ったものにして販売する場合の大きく2つのパターンが登場します。
    しばらくはこの「記念きっぷ」というより「記念カード」の状態が続くこととなります。

    そして2000年代前半にはついに磁気プリペイドカードに変わるシステムとして「非接触型ICカード」が導入されます。
    「非接触型ICカード」は入金してあれば自動改札機にタッチすることで改札口を通過して乗車できるほか、電子マネーとして物販の支払いにすることが可能となっています。
    JR東日本の「Suica」導入に始まり、その利便性の高さから瞬く間に他のJR系鉄道会社や首都圏の私鉄各社、関西大手私鉄各社などを含め、多くの鉄道会社へと波及していき、JR東日本や首都圏の私鉄各社から磁気プリペイドカードを淘汰することとなります。

    そしてこの「非接触型ICカード」も「記念カード」として発売するということも行われましたが、これらは認知度アップとカードの普及を促進するというのがほとんどで、「記念きっぷ」として発売することはごく一部をのぞいて行われていません。

    では「記念きっぷ」はどうなっかというと……。
    原点回帰というわけなのか、ノスタルジックを求めてなのか「きっぷ」タイプ、それも数を減らしつつある「硬券」と呼ばれる厚紙タイプのきっぷでの発売が主流となっています。

    ということで、ざっくりとした感じではありますが「記念きっぷ」の移り変わりを説明してみました。
    次回は手持ちの「記念きっぷ」について紹介させてもらおうかと思っております。

    記念きっぷ 記念きっぷ

    ■ライター紹介
    【ひろっぴ】

    幼少の頃からの「鉄道」好き。一時期は離脱していたものの、10年ほど前にふとしたきっかけで出かけた先の地方鉄道への乗車で、再び鉄ヲタの道へ。
    以後、鉄ヲタの道を極めるべく、あちこちへと出向くのである。

    あわせて読みたい関連記事
  • 華の会メール・バナー
    PR

    オトナ世代の恋愛マッチング

  • 華の会メール・バナー
    PR

    趣味でつながる30代からの恋愛マッチング \華の会メール/

  • Yahoo!乗換案内「乗車位置」が全国拡大 乗換や降車がもっとラクに
    企業・サービス, 経済

    Yahoo!乗換案内「乗車位置」が全国拡大 乗換や降車がもっとラクに

  • 交通系ICカード沼にハマった男、7年かけて国内87種収集 「ほぼコンプしてた」
    インターネット, おもしろ

    交通系ICカード沼にハマった男、7年かけて国内87種収集 「ほぼコンプしてた」

  • 画像提供:がみぃ~さん(@JY09gami3)
    インターネット, おもしろ

    溜池山王駅の隠れた名物!電車部品を再利用したロマンあふれる自販機が話題

  • 観光誘客へ一手 銚子電鉄が「犬吠崖っぷちライン」に路線愛称変更
    企業・サービス, 経済

    観光誘客へ一手 銚子電鉄が「犬吠崖っぷちライン」に路線愛称変更

  • 井の頭線1000系(自動運転設備搭載車両)
    企業・サービス, 経済

    京王電鉄、井の頭線で自動運転の実証試験 3月中旬から

  • 全68駅制覇の証!鋏痕だらけの「国電フリー乗車券」が物語る昭和56年のクリスマス
    インターネット, おもしろ

    全68駅制覇の証!鋏痕だらけの「国電フリー乗車券」が物語る昭和56年のクリスマス…

  • 冬の電車の“あの暖かさ”を自宅で再現!「まるで電車の座席ヒーター」が発売
    商品・物販, 経済

    冬の電車の“あの暖かさ”を自宅で再現!「まるで電車の座席ヒーター」が発売

  • 画像提供:鉄道カフェTA-TA(たあた)公式X(@CAFETATA_KYOTO)
    インターネット, おもしろ

    新幹線の車内を再現!京都の鉄道カフェがリアルすぎる

  • 日本で唯一!地上を通る“地下鉄の踏切”を見に「上野検車区」へ行ってみた
    社会, 雑学

    日本で唯一!地上を通る“地下鉄の踏切”を見に「上野検車区」へ行ってみた

  • 画像提供:銚子電鉄公式X(@choden_inubou)
    インターネット, 感動・ほのぼの

    「乗り鉄」が電車の運転士に!夢のある話に多くの人が祝福

  • おたくま編集部Editor

    記事一覧

    おたくま経済新聞・編集部による監修or執筆

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • じゃじゃ丸たちが帰ってきた!「にこにこ・ぷん NEO」で令和に復活
    TV・ドラマ, エンタメ

    じゃじゃ丸たちが帰ってきた!「にこにこ・ぷん NEO」で令和に復活

  • 誤使用で窒息やケガのおそれ ピジョン、「電動鼻吸い器SHUPOT」改良部品を無償配布
    商品・物販, 経済

    誤使用で窒息やケガのおそれ ピジョン、「電動鼻吸い器SHUPOT」改良部品を無償…

  • Yahoo!乗換案内「乗車位置」が全国拡大 乗換や降車がもっとラクに
    企業・サービス, 経済

    Yahoo!乗換案内「乗車位置」が全国拡大 乗換や降車がもっとラクに

  • 期間限定で大阪・関西万博をモチーフにしたデザインも登場
    イベント・キャンペーン, 経済

    モリサワ、「フォント de スタンプ」公開 大阪・関西万博モチーフも

  • メガ“豚”級のウマさ 日清「ガーリックスタミナ豚丼」全国発売
    商品・物販, 経済

    メガ“豚”級のウマさ 日清「ガーリックスタミナ豚丼」全国発売

  • 警告画面
    インターネット, サービス・テクノロジー

    Google、goo.glリンク廃止方針を一部撤回 アクティブなリンクは継続

  • トピックス

    1. じゃじゃ丸たちが帰ってきた!「にこにこ・ぷん NEO」で令和に復活

      じゃじゃ丸たちが帰ってきた!「にこにこ・ぷん NEO」で令和に復活

      今の30代~40代が幼い頃に夢中になった「にこにこ、ぷん」が、令和の時代に新たな姿でよみがえります。…
    2. 定番の「のり弁」が“冷やし”スタイルで登場?オリジン新作が猛暑に効く

      定番の「のり弁」が“冷やし”スタイルで登場?オリジン新作が猛暑に効く

      夏になると、どうしてもあっさりしたものばかり選びがち。そんな中、「のり弁を冷やして食べる」──気にな…
    3. カレッタ汐留の「ハードコア立ち食いそば」が異次元すぎる 辛つゆと極硬麺がクセに

      カレッタ汐留の「ハードコア立ち食いそば」が異次元すぎる 辛つゆと極硬麺がクセに

      東京・汐留の商業施設「カレッタ汐留」にある異色の立ち食いそば屋「そば さやか」がSNSで話題です。極…

    編集部おすすめ

    1. 誤使用で窒息やケガのおそれ ピジョン、「電動鼻吸い器SHUPOT」改良部品を無償配布

      誤使用で窒息やケガのおそれ ピジョン、「電動鼻吸い器SHUPOT」改良部品を無償配布

      育児用品メーカーのピジョン株式会社は8月6日、同社が2023年6月より販売している管理医療機器「電動鼻吸い器 SHUPOT(シュポット)」に…
    2. 怨念渦巻く家で、ナダルと村重杏奈が「リフォームホラーハウス」に挑む

      一軒家を魔改築する「リフォームホラーハウス」、MBSテレビで放送

      一軒家を丸ごとホラー仕様に魔改築する前代未聞のホラー×バラエティ番組「リフォームホラーハウス」が、8月8日と15日の深夜にMBSテレビで放送…
    3. RTA in Japan、任天堂作品を2025年夏大会で除外 無許諾利用の指摘受け

      RTA in Japan、任天堂作品を2025年夏大会で除外 無許諾利用の指摘受け

      「RTA in Japan」は8月4日、2025年夏大会において、任天堂株式会社のゲームを利用しないことについて、経緯を説明。法人による任天…
    4. Nick Turley氏(@nickaturley)の投稿

      ChatGPT、週次アクティブユーザー7億人目前に 4か月で2億人増加

      米OpenAIが開発する対話型AI「ChatGPT」の人気が、再び急上昇しています。ChatGPTのプロダクト責任者であるNick Turl…
    5. 日本でも導入して欲しい!北欧のスーパーにある“アボカドスキャナー”が便利すぎる

      日本でも導入して欲しい!北欧のスーパーにある「アボカドスキャナー」が便利すぎる

      アボカドはギャンブルです。スーパーなどで見かけても、どれくらい熟してるのかは見た目ではわかりません。触って確かめることもできますが確度は高く…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト