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平たい紙が片手でポンッと球状に 不思議なポップアップカードに「魔法みたい」

 ペーパークラフトの世界は奥深いものです。子どもに大人気の「飛び出す絵本」もペーパークラフトの応用。さらに複雑で緻密なつくりのペーパークラフトがネット上で話題を呼んでいます。

  •  ポップアップカード作家で書籍 「SPHERE 不思議な球体ポップアップカード」や、「GEAR WORLD 歯車で動くポップアップカード」というペーパークラフト本も刊行されている、月本せいじさん。球体に変化するポップアップカードを以前から制作されています。

     「今年のクリスマスカードはこちら」と、11月16~17日に開催された「デザインフェスタvol.50」(デザフェス)出展用に、カードの動画をツイッターに投稿したところ、たちまち大反響に。

     動画に映っているのは、楕円形の一枚の白い紙。その両端を片手で軽く押すだけで、網目状のきれいな球体に。

     その一部分に開いている空間の中には、「Merry Christmas」の文字と、後ろにモミの木の形。そして、雪の結晶の形もあちこちに。

     ライティングで中を見せた後はまた一瞬にして元の平面の紙に。いったい、紙にどんな魔法をかけたらこんな形になるのでしょう……。

     この作品がどうやってできているのか全くピンときませんが、とにかく紙を切って作られており、ノリやテープなどで止めていないいないことは動画からでも見て取ることができます。

     ツイートの動画を見た人たちからは、「マジックみたい」と、素敵!素晴らしいといったコメントが続々。称賛の声で持ち切りです。この作品、ファンタジーや魔法の世界の作品を主に扱っている雑貨店「アランデル」にて委託通販を行っているそうですが、ツイートが注目されたと同時に売り切れ状態。

     デザフェスの後は、委託中のクリスマス作品は11月下旬~12月下旬に最低でも一回は再販予定ということですが、本当に欲しい人は月本さんのツイートをこまめにチェックした方が良さそう。

     さて、この球体ポップアップカード。月本さんに作り始めたきっかけなどを聞いてみました。一つの紙から球体の中にモチーフを作り込む作品や、ギアを紙で組み込んで動く仕掛けを作り始めたのは、今から6年ほど前だそう。

     「テープやノリを使わない紙だけの作品を作りたいと思ったのがきっかけです」と語る月本さん。その背景には、ビジュアルアーティストのロバート・サブダ氏の仕掛け絵本と出会ったことが大きく影響しているとのこと。ロバート・サブダ氏は、「不思議の国のアリス」や、「オズの魔法使い」「ピーターパン」などを、緻密で大掛かりな仕掛け絵本に仕立て上げ、日本でも人気の高いアーティストです。ひとたび本を開くと、目の前に広がる立体の物語の場面の数々は、物語の世界が好きな人はもちろん、初めて見る人に大きな驚きを与えてくれます。

     そこからインスピレーションを得て、ほぼ独学で作品を作り続けてきているのだそう。月本さんの作品は、どれもひとつひとつが手作り。クリスマスカードは、設計に数か月、デザインに数週間、組み立てに15分ほどでできているとのこと。やはり、基礎となる設計図を組むのはなかなか難しいようですね。

     月本さんの作品には、他にもびっくりワクワクするようなものが多くありますので、デザフェス以外にもイベント出展されている時には、間近で作品を見てみることをお勧めしますよ。

    https://twitter.com/TsukimotoSeiji/status/1195488879429607424

    <記事化協力>
    月本せいじさん(@TsukimotoSeiji)

    (梓川みいな)

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