「ナナメ観特撮映像館」、第22回は『ゴジラ対メガロ』をとりあげます。前作に続いてガイガンも登場。異色のロボット、ジェットジャガーに注目です。

かつてのように地上や海上で核実験は行われなくなり、変わって地下での実験が繰り返されていたが、地震など周辺地域に与える影響が懸念される事態になっていた。


アリューシャン列島で行われた実験は、遠く怪獣島にも影響を与えるような状況だったのだ。かつて海底に沈んだとされるレムリアの人々は、地上の人類に知られることなく平和で科学の進んだ暮らしをしていたが、この地下核実験によって平和を脅かされたため、メガロを使って地上を攻撃することを決意する。

本作のプロローグ部分ともいえる上記の展開は、まさに第1作でのゴジラと同じ行動原理といっていいのではないだろうか。しかし今回はその海底人の使いであるメガロと、ゴジラは闘うのである。第1作でもゴジラは人類の敵として描かれていたわけだが、今回は海底人が徹底した悪という存在になっていて、ゴジラが現れると見るや、前作で登場したガイガンを援軍として寄越すように宇宙人に連絡したりする。

メガロ、ガイガンの悪役コンビニ対して、ゴジラには本作で登場するロボット、ジェットジャガーが味方する。このジェットジャガーだが、意思を持つまではいいとして、等身大のロボットがいきなり巨大化してしまうのは、小学生低学年に向けて作られていたとしてもバカにしすぎてはいないだろうか。観客の代表ともいえる登場人物の少年に対して、兄でありジェットジャガーの発明者が、レムリアやムーなどの古代大陸の説明をするシーンも、子供に説明するにしては言葉づかいがヘンに難しいし他人行儀で違和感があったりする。

今回も防衛隊や街の破壊シーンが過去作品から流用されているのだが、ガイガンによってゴジラが流血させられるシーンまで流用しているのには驚いた。

監督/福田 純、特殊技術/中野昭慶
キャスト/佐々木勝彦、川瀬裕之、林ゆたか、ほか。
1973年/日本/82分

(文:猫目ユウ)