おたくま経済新聞

ネットでの話題を中心に、商品レビューや独自コラム、取材記事など幅広く配信中!

【特撮映像館】Act.26 ゴジラVSビオランテ

update:

「特撮映像館」26回目はVSシリーズ中の名作「ゴジラVSビオランテ」です。新シリーズ第2作は一般公募の原案を元に、大森一樹監督が脚本を執筆、久しぶりに新怪獣の登場となった。

バンダイ刊の「EBシリーズ・ゴジラ大図鑑」の解説では、VS自衛隊のような内容とも書かれているが、スーパーX2を始め、自衛隊のシュミレーションを見るような作戦の数々が圧倒的で、実際ビオランテの登場シーンは意外と少ない。


  • 冒頭で、前作ゴジラが暴れた新宿でゴジラの細胞を採取するシーンが描かれるが、こんなところからも昭和ゴジラシリーズとは時代が変わったという印象がある。

    新怪獣ビオランテは、そのゴジラの細胞と植物の細胞を融合した生物で、動物のゴジラと植物のゴジラ(ビオランテ)の対決という構図が見どころのはずだった。が、先にも触れた通り、ゴジラとビオランテの対決より、自衛隊の方がどうしても印象が強く、同じ遺伝子を持った2匹の巨大生物の対決という本来のアイデアは影に隠れてしまった感は否めない。

    とはいえ高島政伸演じるヤングエリート将校とそのチームによる対ゴジラ作戦は見応えがあり、前作よりもパワーアップしたスーパーX2も、東宝超兵器の歴史に残る名戦闘機に仕上がっている。ちなみにスーパーX2のオペレーターを演じたのは、鈴木京香と豊原功補である。高島は、父・忠夫に続いてのゴジラ映画への出演である。

    本作で「VSシリーズ」を通して出演する三枝美希(小高恵美)が登場。テレパシーなどの超能力でゴジラの位置を察知するなど、要所要所で活躍することになる。

    またラスト近くで田中好子が三田村邦彦に「バットマンみたいだった」と言うシーがあるが、これは公開当時、『バットマン(ティム・バートン監督)』が正月映画のライバルとして公開されたため。本作も興行的には悪くなかったはずだが、『バットマン』にはかなわなかったかもしれない。

    監督/大森一樹、特技監督/川北紘一
    キャスト/三田村邦彦、田中好子、高島政伸、小高恵美、高橋孝治、峰岸 徹、ほか。
    1988年/日本/105分

    (文:猫目ユウ)

    あわせて読みたい関連記事
  • ゴジラ 大咆哮かるた
    アニメ/マンガ, 商品・グッズ

    鳴き声で怪獣を当てろ!難易度MAX「ゴジラ 大咆哮かるた」がツタヤ限定発売

  • ヘドラ卓上モップ
    アニメ/マンガ, 商品・グッズ

    ゴジラと戦った公害怪獣「へドラ」のお掃除グッズ襲来 卓上のホコリを吸収

  • 「ゴジラ対ヘドラ」公開50 周年記念フレーム切手セット
    アニメ/マンガ, 商品・グッズ

    「ゴジラ対ヘドラ」公開50周年記念グッズ 郵便局のネットショップ限定で販売

  • ゴジラと京都のコラボイベント「ゴジラVS京都」が初開催
    アニメ/マンガ, イベント・キャンペーン

    「ゴジラVS京都」 京を巡る回遊型イベント開催

  • アニメ/マンガ, ニュース・話題

    淡路島に全長約120mの実物大「ゴジラ」出現 体感型アトラクション「ゴジラ迎撃作…

  • コラム, 雑学

    【特撮映像館】Act.39 ゴジラ2000シリーズ考察

  • コラム, 雑学

    【特撮映像館】Act.38 ゴジラファイナルウォーズ

  • コラム, 雑学

    【特撮映像館】Act.37 ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS

  • コラム, 雑学

    【特撮映像館】Act.36 ゴジラ×メカゴジラ

  • コラム, 雑学

    【特撮映像館】Act.35 ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃

  • 猫目 ユウWriter

    記事一覧

    フリーライター。ライター集団「涼風家[SUZUKAZE-YA]」の中心メンバー。
    『ニューハーフという生き方』『AV女優の裏(共著)』などの単行本あり。
    女性向けのセックス情報誌やレディースコミックを中心に「GON!」等のサブカルチャー誌にも執筆。ヲタクな記事は「comic GON!」に掲載していたほか、ブログでも漫画や映画に関する記事を掲載中。
    本コラム「うちの本棚」は作者・テーマ別にして「ブクログのパブー」から電子書籍として刊行しています。
    また最近は小説の執筆に力を入れています。
    仮想空間「Second Life」やってます^^

    ▼こちらのライターの最新記事▼

  • コラム・レビュー

    複数社から発売された『墓場鬼太郎(ゲゲゲの鬼太郎)』を振り返る

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】262回 こいきな奴ら/一条ゆかり

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】261回 ティー・タイム/一条ゆかり

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】260回 5(ファイブ)愛のルール/一条ゆかり

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】259回 デザイナー/一条ゆかり

  • コラム・レビュー

    【うちの本棚】258回 わらってクイーンベル/一条ゆかり

  • トピックス

    1. 警告ポップアップで強引に広告誘導 悪質業者が仕掛ける正規サービスを悪用した罠

      警告ポップアップで強引に広告誘導 悪質業者が仕掛ける正規サービスを悪用した罠

      インターネットを使っていると、ふとした瞬間に現れる「警告ポップアップ」。 近ごろでは「サポート詐欺」…
    2. 母に何気なく70年万博の話をしたら……“55年前の資料”にテンション爆上がり

      母に何気なく70年万博の話をしたら……“55年前の資料”にテンション爆上がり

      大阪・関西万博をきっかけに、55年前の1970年の大阪万博(以下、70年万博)に興味を抱くようになっ…
    3. ハチワレ特製「暗殺者のチャルメラ」を再現 トマトと粉チーズでインスタントラーメンが大変身

      ハチワレ特製「暗殺者のチャルメラ」を再現 トマトと粉チーズでインスタントラーメンが大変身

      10月1日にXで公開された漫画「ちいかわ」にて、ハチワレがちいかわに振る舞った“暗殺者のチャルメラ”…

    編集部おすすめ

    1. フライドポテトで、白ごはんを食べる……?ドンキ新作が過去イチ理解できなかった件

      フライドポテトで、白ごはんを食べる……?ドンキ新作が過去イチ理解できなかった件

      「みんなの75点より、誰かの120点」を合言葉にドン・キホーテが展開している偏愛メシシリーズ。10月1日に「本当にこの組み合わせが好きな人が…
    2. 将棋倶楽部24、2025年末でサービス終了 27年の歴史に幕

      将棋倶楽部24、2025年末でサービス終了 27年の歴史に幕

      オンライン将棋対局サービス「将棋倶楽部24」が、2025年12月31日をもって終了することが発表された。運営する席主の久米宏氏が10月1日付…
    3. pium、“カスハラ声明”きっかけに炎上 接客批判受け謝罪と改善策

      pium、“カスハラ声明”きっかけに炎上 接客批判受け謝罪と改善策

      アパレルブランド「pium」が9月30日、店舗スタッフの接客に対する多数の指摘や批判を受け、公式Xにて謝罪文を公開しました。併せて再発防止策…
    4. 「ビー・バップ」クラファン始動、清水で“高校与太郎祭”実現へ 返礼に「鉄橋ダイブ」関連も

      「ビー・バップ」クラファン始動、清水で“高校与太郎祭”実現へ 返礼に「鉄橋ダイブ」関連も

      映画「ビー・バップ・ハイスクール」のロケ地として知られる静岡市清水区で、作品ゆかりの企画を集めた大型オフラインイベント「清水 ビー・バップ・…
    5. 第7回京都アニメーションファン感謝イベント『私たちは、いま!! ―京アニのセカイ展―』

      京都アニ「第7回ファン感謝イベント」追加情報を公開 新商品や書籍予約、グッズ二次予約も発表

      株式会社京都アニメーションは、10月25日・26日の2日間で開催予定の「第7回京都アニメーションファン感謝イベント『私たちは、いま!! ―京…
    Xバナー facebookバナー ネット詐欺特集バナー

    提携メディア

    Yahoo!JAPAN ミクシィ エキサイトニュース ニフティニュース infoseekニュース ライブドア LINEニュース ニコニコニュース Googleニュース スマートニュース グノシー ニュースパス dメニューニュース Apple ポッドキャスト Amazon アレクサ Amazon Music spotify・ポッドキャスト